幻の涅槃仏

カーブルでは、まだマイナス気温にはならないものの、11月に入ってめっきり寒くなった。
今年は小麦の出来高がイマイチで冬が越せないと、山村からカーブルへ降りて来る人も多い。
SORA-アフガン難民を支える会では、そうした村人たち(子どもの多い家庭200世帯を対象)に、越冬用の布団やテントを来週明け、配布する。

アメリカを中心とした国際治安維持部隊が治安維持と称して使う、莫大な経費の一部で水利を整えてくれれば、小麦がもう少し栽培出来るのに…と、嘆く村人もいる。


治安の悪化ばかりが報道され、昨今では暗いアフガンだが、嬉しい話題も。
大唐西域記では玄奘三蔵が「バーミヤンの寺院で大きな涅槃(ねはん)仏を見た」と記している(涅槃仏の大きさは200尺か300尺という単位だったと記憶する)。
文献から推し量って、ユネスコなどの発掘調査隊は探知機なども導入、「この辺りではなかろうか?」と、ここ数年、積極的に調査している。

今回の発掘はアフガン考古局の権威ダルジ教授によるもので、大仏立像の南東100メートルで、仏塔基壇という。仏塔基壇は最長辺の長さが約55メートルに及ぶことが確認されたという。アフガニスタンでは最大の仏塔基壇とみられていると報道されているから、これで幻の涅槃仏に出会える可能性が高まったというものだ。