家での屠殺が激減

犠牲祭用の家畜を販売するためにパンジャーブ州だけで100以上の臨時大市場が開設され、政府は販売者から税としてヤギ1頭あたり500Rs、牛には1000Rsを徴収と決定。そのせいか公設の市場へ家畜を出すのを嫌がる人が多いのか、近場の小さなバザールの片隅でヤギたちがメェ~メェ~と煩く鳴き、垂れ流す糞尿が臭い。10年もの昔ならば広い公設市場に繋がれた何千頭もの家畜たちを見に行き、あれこれ品定めをしたものだが、子どもたちが大きくなったこともあって近年はそうした家畜市場へ行くことがなくなった。かっては牛やヤギを買って来て、例え数日でも良いから愛情をそそぎ餌をやって大切にしてから家で屠殺し、貧しい人や知り合いへも分け合ったものだが、そうしたことが年々減っている。特にコロナ蔓延からはオンラインで家畜が買えるようになり、成牛なら7家族分に分けられて買えるようになったというお手軽さ。おまけに配達もしてくれるとあって、わざわざ酷暑の中を公設市場へ行く必要はなくなった(イスラーム暦は陰暦で廻るため10年前は犠牲祭が10月頃、暑さがマシだったせいもあって観光がてら見物に行けた)
例年は犠牲祭の期間中にパキスタンだけで800万~1000万頭の家畜が生贄にされるとのことだが、今年は物価高・不景気を反映、例年の半分くらいしか屠殺されていないらしい。ヤギ1頭が給料の1か月分、牛にいたっては給料の3ヶ月~数か月分とあっては気軽に買えるものではない。そのせいか近隣でも屠殺する家が激減している。我が家の手抜きで屠殺なし。さらには例年ならば犠牲祭前後には鶏などを買う人はなく、鶏の値段は安くなると言うのに、今年は祝いのテーブルに「肉」を載せられず、「鶏」で我慢をする家庭が多かったもよう、鶏の値段が倍近くになっている・・