アフガンで女性300人、タリバン支持のデモ

数日前、タリバン政府は布告していた、デモは事前に届出をするようにと。日本国憲法では集会・結社、言論の自由は保障されデモや集会は原則自由だが、道路を使用してデモを行う時は「道公法」などの関係で、警察に許可申請を行う必要性があることになっている。早い話が日本政府のお番犬サマをつとめられる、お警察サマが事前に把握をされたいのだろう。ということで、タリバン政府も「把握」しておきたいのだろう。
昨11日、首都カブールの大学講堂に女性300人が集まり、タリバンの推し進める「厳格な男女分離政策など」を支持するデモを行ったと。女性たちは、新生アフガンの教育機関で新たに導入された服装規定にのっとり、全身を覆う服装で大学に集まり、中には登壇して西側諸国の批判を繰り広げたり、タリバンの旗を振って政策への支持をする人もあり、集会後はタリバン兵士に護衛されながら、行進したとニュースにはあった。300人のうち面従腹背が何人かは知らないが、全員が面従腹背でも無かろうに。
その少し前の布告では、クラスは男女別に分けられるか、男女がカーテンで仕切られる場合に限り、女性の大学通学を許可すると。日本を含む欧米諸国の人々には「理不尽、理解不能・納得」が行かないと思えるのだろうが、世界のイスラーム(推定人口)20億人弱のうち、多くの人がタリバンの掲げる「イスラーム政策」を理解していると想う(理解するのと自分がその政策に従うか否かは別物だが) 一応、民主主義国を標榜するパキスタンだが、当地でもほんの20kmも首都圏を離れると、結婚式披露宴なども男女別々だし、同じ会場なら真ん中に男女を分ける厚いカーテンで仕切られているのが普通だ。大学も10年くらい前までは、男女を分けるためのカーテンが教室の真ん中にあるのは当たり前だった。パキスタンで最も進歩的なラホールの大学内で(この春だったと記憶するが)男女が人前で抱擁したとかで大問題になっていた。
そもそもイスラーム教徒(正式にはムスリムと称す)は神に帰依する者という意味であり、先般も書いたが聖クラーン、預言者ムハンマッドの言行録に忠実であるようにと、生まれた時からそのように教育を受ける。カブールでひと時の自由な暮らしを知ったアフガン人には、タリバンの政策は窮屈に違いないだろう。だが、田舎では言論の自由どころか恋愛・結婚を始め何もかもに男女とも自由は無い。男性も家長の許可がないと家から離れることすら不可能に近い。
西欧諸国中心・日本で流される「タリバンは理不尽で残忍だ」というニュースは、半分は当たっていて半分は当たっていないと思うべきだ。