武装勢力も人の子??

アフガニスターンのタリバーン武装勢力の)創設者、片目の怪人ムッラー・オマルに代わって2015年指導者に就任したマンスールは、2016年にアメリカのドローン攻撃によって殺害された。マンスールはドローン攻撃で死亡する前に、最大30万ルピー(オバハンの推計による受け取り保険金は約1億円くらいか)を保険会社へ支払っていたことが明らかになったとは、昨日のニュース。マンスールは2005年にパキスタンの国民身分証明書を発行を受けており、その証明書を使い、生命保険契約をしていたと。2005年と言えばアフガ二スターンでタリバーン政権が崩壊した後で、多くのアフガ二スターン人がパキスタンへ雪崩込んでいたころだ。あの頃は書類さえ整っていれば審査などあってなきがごとし、比較的簡単にパキスタンの身分証明書が発行して貰えたものな。
「死ぬ日は決まっている、すべては神の御心」とはイスラームの教えであるが、その死ぬ日のために保険をかけていた武装勢力の指導者と言うのが、現代的であり、かつ哀しい。そもそも「保険」というのはイスラーム的ではないと考える人は多い。イスラーム教で禁止されていることは偶像崇拝、アルコール、豚肉、ギャンブル(保険を含む)等。さらには金利も保険も禁止されてはいたが、「相互扶助」に根ざすイスラームの教えに反しないとの、「言葉の置き換え」で金利も保険も容認されているようだ。
パキスタンの保険会社は、一般国民には関係のない地味な存在だった。今もパキスタンでは生命保険は一般的ではない。それが比較的身近になったのは30年くらい前、パキスタンで登山やトレッキングをする際の、現地雇用のスタッフたちには保険をかけるのが必須になった頃からか・・。新車などには保険を掛けるが、それも一般的ではない。しかし、今年に入って保険会社から勧誘の電話が度々かかるようになった、在パ40数年で初の経験だ。曰く「コロナのために保険に入りませんか?」と。保険が一般化して来たのかも。