交渉地を、国連に選定させる

タリバーン側は自分たちの支配地域で(人質解放についての)直接交渉を求めたが、二重拉致を恐れる韓国・アフガン両政府が難色を示したので、タリバーン側は「国連が我々の身の安全を保証するならばどこでも会う」と妥協案を提示したとは、昨日の新聞報道。

自分たちタリバーンは現アフガン政府(アメリカ)によって、不当に扱われている。自分たちは「真のイスラーム国家を建設したいと考えているだけ」なのに、収監されている多くのタリバーンも不当に扱われている。自分たちはアッラーの神のために闘っている、天に誓ってやましいところがないとした思いが滲み出ている。
そこには、タリバーンイスラーム原理主義者である、単なるテロリスト集団ではないという矜持も見える。
国連は前アフガン政府(タリバーン政権)を認めなかったが、タリバーン側には、国連ならアフガン政府(アメリカ)より信頼できるとの思いがあるようだ。タリバーンには今のアフガン政府(アメリカ)による支配を物凄く不満に思っていることが、これでありありと判る。

そもそも、タリバーンは早くから「自分たちの戦いは外国人全員がアフガンから出て行くこと」と、サウジアラビア原理主義者と同じことを言い続けている。そうしたイスラーム原理主義者たちの思いに、我々は一度でも真面目に耳を傾けたことがあるのか?

30年もの間、パーキスターンやアフガニスターンに関わって来たオバハンから見ても、アフガンのことは彼らアフガン人に委ねれば良いとの思いは拭いきれない。パキスタンしかり、イラクもしかり。欧米日の押し付ける民主主義国家の建設が、そんなにいいものか、どうかもオバハンの中では常に疑問になっている。
この間、イラク特措法をパラっと斜め読みしていたら、その中に「日本は中東のオイルに頼っているから、中東の安定は日本(米国)のため」という文意があった。イラクを安定させたいのは、はからずも自分たちのためのオイルを守ると、ハッキリ宣言しているわけだ…

イスラーム教徒にはイスラーム教徒の生き様、ルールがある。欧米日などが口を出すことでもあるまい。弱い者が犠牲になりやすい自然災害などの緊急時には手助けもいるだろう。しかし、他は彼ら自身に委ねるべきではないのか。
欧米日から見れば後進国のモデル的アフガニスターンであろうが、人々は貧しいなりに「神にすべてを委ね」幸せに暮らしていた。それを破壊したのはロシアであり、アメリカだ…
しかし、それらも「神のご意志」と受け止めている彼ら、その彼らに元の生活を返してやって欲しいとオバハンは思っているのだが… それもお節介というものだろうか…