ガイド・ライセンスの取得

昨秋は50年もの昔の山仲間8人と数年ぶりに陸路を走り、ナンガパルバット8125m、ラカポシ7788mを眺めにベースキャンプ近くまで行って来た。流行に乗り遅れまいとするパキスタン人たちのお陰で、この数年、北方地域は物凄い観光ブーム。4月~8月まではホテルが取れずに車の中で寝るのが普通との混雑ぶりだ。カガン渓谷沿いの鄙びたホテル町だったはずの狭い場所には3~5階建てのホテルが何十もひしめいている。町の細い道沿いにはラホールやカラチから土産物を売る大バザールが引っ越して来ている。バブサル峠4173mに向かう針葉樹で覆われていたルルサール湖周辺は1本の木もないハゲ山だ。    
9月半ばだと言うのにナンガパルバットへの小径には、日傘をさしたお姉さんたちも途切れずに歩いている。華やかなパキスタン服をヒラヒラさせたお姉さん方の間を登山装備に身を固めて歩く間の悪さ。とにかくパキスタン人観光旅行者の多いこと!     
ラカポシ7788m麓へのトレッキングは急登の6時間なので、お姉さんたちは見かけなかったが、それでも人っ子一人見られなかった数年前とは大違いだ。そのラカポシで、オバハンたちのガイドを引き受けてくれた若者2人を拾って来た。すでに地元で催された政府のガイド研修は済ませていたので、今後のために正式なガイド・ライセンスを取らせておこうと膨大な書類を整え、彼らの住む地元警察署から身元確認証など等を取り寄せ、ようやく昨日が観光省登山局でのインタヴュー。 で、想定外の質問が1つあったと。「あなた方の会社の社長の名前は?」と。我が「日パ旅行社」のスタッフのうち、いったい何人が社長の名前を知っていると言うのか。オバハン自身も「社長?」と考え込んだくらいだもの。
オバハンの下で30年もガイドをしているスタッフだって「社長の名前?」と聞かれれば頭を傾げることだろう。社長?いったい誰の名前だったしらん?