過剰防衛のアメリカ

アメリカはきょう未明、わざわざ他国の空港まで出撃し(ドローンで)イラン革命防衛隊の司令官を殺害したと。いつも、いつも思うのがアメリカの「兆候あれば先制攻撃を行う」とした、自分よがりな姿勢だ。今回も「海外の米国人を守るための断固とした防衛措置」との声明を出しているが、漫然と見ていても気になるのは、アメリカのなりふり構わぬ、そして朝令暮改的なやり方だ。イランとの核合意を一方的に離脱し、以降、圧力をかけてみたが成果イマイチ。ポチ安倍にイランとの諸々を交渉、要請をさせてみたが、これまた上手く行かなかった。自信満々で臨んだアフガン(タリバーン)との和平の話し合いも上手く行かなかった。   
上手く行かないからとゲンコツを振り回し、証拠もないのに「先制攻撃をしかけ」世界を混乱に陥らせているのは常にアメリカではないのか。過剰防衛のアメリカこそが、世界一のテロ国家だと考えている人が世界にはいっぱいいると想う。  
アメリカは過去にイランで何度もの苦渋をなめている。もう40年も前になるが、イランではアメリカ大使館内に外交官52人を人質に取り、444日間も立てこもった事件があった。外交官が人質に取られての立てこもり事件は、1回だけではなかった記憶がある。イランは大国だ、そして男女ともに教育程度も高い。ペルシャ帝国の後裔としてのプライド、さらには国民の反米意識は半端でなく高い。ペルシャの影響を強く受けているアフガン人も(今のところ国土は荒廃し、教育程度も高くないが)簡単に取り込むことが出来ない芯の強い手ごわい相手だ。  
アメリカはタリバーン政権を放逐、アフガンに平和と民主主義をもたらすつもりでいたが、結果はどうだ!20年間にも及ぶタリバーンとの戦いで泥沼に陥ったのはアメリカ自身ではないか。アメリカは毎年約500億ドル近いお金をアフガンでの軍事作戦に費やしている。にもかかわらず、アフガンには平和も訪れないし、民主主義からも遠い。アメリカは謙虚にわが身を振り返り・・・なぁんてことが出来るわけはないわなぁ。