1年生議員 田城郁が活躍

間違って削除してしまった…ので、再掲載。1年生議員の田城郁が第123回列国議員同盟の会議で活躍しましたのでお知らせいたします。

「今日は、緊急提案議題のパキスタン支援について討議する会議でした。なにせ参加国が多く、各国が延々と支持の演説をしましたが、具体的な支援策についてきっちりと触れた国は、少ない状態でした。」
その中で田城はアフガン・パキスタンでの支援活動に携わった経験を元に、派遣団を代表して演説をしました。演説内容は以下の通りです。新聞報道はないと思いますが、議員当選一年生が代表団の一人として、大きなひのき舞台で堂々と発言したことは画期的なことです。
他国も、日本からの発言に勇気を得て、これからの大災害への備えをしっかりしなければという意見を述べ、国連の中に特別災害基金を設置する動きとなりそうです。




第123回列国議会同盟   於 ジュネーブ(2010年10月4日)

パキスタン水害の緊急支援の緊急追加議題(提出 アラブ首長国連邦、イラン) に対する賛成発言
日本代表団副団長 参議院議員 田城郁

議長、発言をお許しいただき、ありがとうございます。
私は日本の参議院議員田城郁といいます。パキスタン大洪水の危機的状況を打開するため、提案と発言をいたします。
はじめに「結論」を具体的に述べます。
IPUメンバーの各国議会は、それぞれの国の政府に以下を要請すべきだと考えます。第一に、パキスタンに対し主食である小麦を中心とした食糧支援を中・長期に行うべきであること。特に、周辺国は今から支援のための小麦の増産に努力すること。 第二に、破壊された農業地帯のインフラ再生のための資金を拠出すべきであること。 第三に、飲料水および身体の衛生を保つための給水車、浄水車、井戸の整備のための資金を拠出すべきであること。 他にも支援内容は多義にわたりますが、命を守り、予防保健の視点が大事であることから、以上を提案します。

1、 現況
2010年から始まったパキスタンの大洪水は、一カ月をかけて下流域に至り、被災者2000万人、死者2000人という大きな被害を起こしています。 現在、水は引きましたが、都市のインフラはことごとく破壊され、農地も大きな被害を受けています。特に「世界一の用水路網」とうたわれた畑は、その水路を伝って洪水が押し寄せ、現在、7割の農地が使用不能と言われています。 注目すべきなのは、時あたかも秋まき小麦の季節であり、来年春に採れるであろう小麦の収穫は期待すべくもなく、深刻な食料難が来春訪れることは必至の状況であります。 また皮膚病、結膜炎、下痢が蔓延しています。報道では常在感染症であるため、一定のコントロール下にあります。 他方、イスラム教独特の生活習慣と信仰生活のため、膀胱炎の被害が多発していますが、ほとんど報道されていません。

2、 日本の支援
このパキスタン大洪水の厳しい現状への対応として、わが日本は、国際緊急援助隊自衛隊ヘリ部隊を派遣し、水・食料・医薬品等の輸送にあたっています。 またNGOの集合体であるジャパンプラットホームを通じて、約600万ドルを投入し、各々のNGOが支援活動を展開しています。 さらに、国連緊急アピールへ1300万ドルを拠出し、水・食料・テント・医療等の原資としています。 このほか、緊急支援物資として40万ドルの現物供与を実施し、排水ポンプ・テント・浄水機、簡易水槽、浄水タブレット等を送っています。

3、 中・長期の国際的支援の必要性
日本の支援は以上のような内容ですが、同様の支援が世界各地から行われています。これらは、短期的な緊急支援で、とても重要な支援です。 しかし「現況」の部分で触れたように、秋まき小麦の作業ができず、来春の小麦の収穫が望めない以上、大規模な食糧危機が訪れることは間違いありません。 また、畑や水路が破壊された農業地帯を再生しなければ、食糧危機は恒久的に続きます。 したがって、はじめに述べた「結論」の中・長期的な国際支援が絶対に必要です。
これらの国際支援を実現することは、パキスタンの多くの国民の命を救うという直接的な成果と共に、イスラム世界の人々の国際社会に対する不信感の解消に向けての一助になると確信し、期待します。 大きな石を持つ力のある者は、大きな石を持ち、小さな石しか持てないものは、確実に小さな石を持ち、各々の者が着実に、持った石を積み上げてゆくことが、このパキスタンの大洪水の危機的状況を克服できる唯一の方法であります。
同時に、世界的に進行する気候変動の中で、いつ自国が同様の危機的状況に見舞われるか分かりません。その時に備えるためにも、過去の経緯を乗り越えた国際間の協力が、世界の平和へと続く道であると確信します。
IPUメンバー各国議会の検討を要請し、私の発言と提案とします。 ありがとうございました。