先般のパリ会合、カルザイ大統領は今後5年間で総額500億ドル(5兆3000億円)」を支援国に要請、(1)治安(2)インフラ整備(3)麻薬対策(4)行政機能円滑化などを策定した、今後5年間の「国家開発戦略」を改めて説明したと。
言うだけだから幾らでも言えるにしても凄い金額だ。すでにカルザイ政権には6年間で世界中から莫大な支援金が費やされ、さして明るい結果が見えていないというのに。
確かに都市部ではTVを持つ家も増えた。聞くところによれば田舎でもTVを持つ家は10~20%に増えたという。しかし電力事情はパキスタン以上に悪く、首都のカーブルでも庶民の暮らす地域では12時間の配電が1日おきというではないか。そうなるとTVもなかなか簡単に見られるものではない。
パリで開かれたアフガニスタン復興支援会合は、最終的には参加67カ国と17国際機関が総額200億ドル(2兆2120億円)の支援を約束して閉会した。参加国側は予想を上回る支援を約束する一方、アフガン政権に「汚職撲滅と法秩序の回復」を強く要求したと伝えられている。
知り合いのコンサルなどは、「ブッシュ政権も後半年、最後の自分たちへのキックバックをかけて頑張った」などと皮肉っている。
アフガン政権に「汚職撲滅と法秩序の回復」を強く要求するのは勿論のこと、その上に繋がるものへも目を向けるべきだろう。どっちにしてもアフガンの国民まで支援金がこぼれることは僅少だ。
2~3年前、SORA-アフガン難民を支える会ではワルダック県に診療所を建てようと計画をしたことがあった。政府は、「すでに各国支援団体で診療所は幾つも作ってもらったから、これ以上の診療所は要らない、運営費だけをくれ」というものだった。アフガンの山間部を走り回っても、そんなに目に付くほど診療所が多いわけでもない。運営費などは、今回の2兆2120億円という莫大な支援金の中では微々たるものであろう。なら莫大な支援金は、いったい何処へ消えるのか?