厳戒態勢

7年前に国外追放されたシャリフ元首相がきょう帰って来る。
昨日から首都周辺の警戒は厳しく、隣町のラワルピンディは町全体がシャッターを下ろし、本日は休業とするらしい。空港から5kmへの立ち入りは車輌、人ともに禁止。警察官が2万人も動員されているというから、厳戒態勢のほどがわかるというものだ…

シャリフ元首相を乗せたフライトは昼に到着予定。それが朝9時の到着に変更されたかと思うと、今またしても到着時間が変更の様子、取材をサポートする側も待機しながら落ち着かない。
結果、2時間近くも空港内でシャリフは足止め、拘束。空港では「パスポートを出せ!」「出さない!」と揉め、パスポートを出さないから、当然入国のスタンプも貰えず、ジェッダ(サウジ)へ送り返された。TVのアナウンサーが言っていた通り、再びサウジだ。 
息子によると、7年前には「治療のために出国」ということになっているので、今回の帰国は法的には問題はないらしい。それを逮捕、あるいは送り返しということになれば、ムシャラフの独裁性がますます目立って、国民の離反は増えるだろうとのこと。

本日は空港へ、反政府政党の指導者など多数が出迎えることを決めているので、空港への道は閉鎖。
ペシャワールなど地方都市から首都へ来る道も閉鎖されるなど、厳戒態勢を敷いていたようだ。シャリフ兄弟は空港に降り立つこともなく、首都から270kmばかり離れたラホールまで車列を連ねての凱旋行進はなくなった。今後は混乱は避けられないし、シャリフ兄弟の逮捕となれば首都周辺は反政府ストで大荒れとなりそう…

7年前シャリフ元首相は数々の汚職(シャリフの弟が指揮をとったことにはなっているが)殺人などの罪で国外追放をされ、当時は多くのパキスタン人もオバハン自身も、それが当然だと思ったものだが、ムシャラフ大統領の悪政が目立ってみると、それら悪行の数々も薄らいでしまった感がある… 

結局、ムシャラフ自身もシャリフと同じことをしているにしか過ぎない、と。