大気汚染で4日間の休暇

晴れているのにマルガラ丘陵が霞んでいる。丘陵の中腹部には落ち葉を燃やしているらしい煙が白く棚引いて見える。我が家は首都の東端にあって樹林が多く、人家も密集していない地域にあるのだが、大気汚染指数は現在178を表示。ニュースによれば大気汚染の酷さにパンジャーブ州政府は明日から4日間の休暇を発表。街中を走る車輌が減れば、少しは大気汚染がマシになるだろう・・ということらしい。なお排ガスを撒き散らす車輌は1月まで首都には入れないというが、目視による判断というところか。パキスタン国内の自動車登録台数は2011年には960万台だったのが、2020年には3070万台へと増加。だが諸物価高騰のあおりを受け、この3年は車の販売も低調だと言う。しかし日本のように車検があるわけではないから排ガスの検査もなく、日本からの中古車を輸入している段階で年式も落ちる。だから白や灰色の排気ガスを撒き散らして走る車も多い。
昨冬の学校は大気汚染の酷さに週休3日だったというし、2~3日前のニュースではインドでも週末からの1週間は大気汚染による休みらしい。また車輌番号の偶数が走れる日、奇数の走れる日と分けるとも。暫定首相はパキスタンとインドで大気汚染に関する共同の取り組みをするべきというが・・パキスタンやインドなど人口密集の地域では車の排ガス、日々、煮炊きに使う薪、ホンの僅か郊外へ行けばレンガ窯の煙、工場からの煤煙。さらには落ち葉や収穫後の株を燃やすなどで晩秋から冬場の煙は凄く、洗濯物に煙りの臭いが移るほどだ。市によってはレンガ窯を封鎖・罰金もあり得るというが、政府は国民に対して環境問題を指導するわけでもなく、学校で「環境問題」とやらを教えることもなく、国民の環境への意識は絶無。何よりも「他人のことを思いやるという教育」を受けることが無いから、効果は如何ほどか?
カシミールから来ているスタッフも冬場の薪を確保するためにと、1週間の休みを取って田舎へ帰った。ガス代も高くなりシリンダー・ガスなどが容易に買えなくなれば、山や林から雑木を採って来るしかない