囲炉裏を囲んで

「大雪によるパキスタンでの雪崩多発、死者が出ている」とのニュースに、きょうは日本から「大丈夫でしたか?」との連絡を何人もから頂いた。お見舞い下さった方々、ありがとうございます。
正月3日までは何とか晴れていたが、4日からは氷雨が数日続き、2日間の晴れ間の後、またまた氷雨が3~4日続いてイスラマバードでも思いがけぬ寒さになった。家から北北東(インド側)に見えるマリーの丘陵(標高が3000mはある)が白く見えている。山は大雪になったに違いないと案じていた。
イスラマバードから車で1時間も走ると、マリー丘陵。そして直ぐ北がカシミール、今ここで必死の救助活動が行われているが、積もった雪を除けるにも人海作戦なので効率が悪い。カシミールだけでなくパキスタンの北方地域も年明けから大雪に見舞われているという。
オバハンが母子保健センターを主唱しているギルギットの冬は-10℃にもなる。冬の間、北方地域の人々は囲炉裏を囲んで寝起きする。ガスや石油ストーブのある家はごくごく、ごく僅少で、どこの家でも薪を切らすことなく冬中、焚くので、部屋の天井中央には煙出しの穴が1つ空いている。囲炉裏を囲んで高さ20㎝くらいの間仕切りで囲われた、畳2枚分大くらいの場所が5~6あって、入り口から一番遠い奥が年長者、家長の場所。その横が長兄家族、次兄家族、入口に近い場所は女、子供、家事を行う嫁の場所。よほど余裕のある家以外は一部屋、一部屋に暖房があるわけではない。そして大家族制なので平均30人くらい、みぃ~んなが囲炉裏を囲んだ大きな一部屋で、頭から布団をゴッポリかぶって寝ることになるが、そんな中でも子供は次々と出来る。少子高齢化の日本とは大違いに、パキスタンでは毎年500~600万人の子供がうまれている。