半年ぶりの野外大バザール

電気料金が引き上げられた翌日に続き、金曜日にガソリン代などの燃料が平均して10%もの値上がり、今後、すべての食料品と生活用品にも値上がりが跳ね返って来る。国際市場で石油価格が上昇、仕方がないとは言え一気にインフレが進む。
子供たちが今夜遅くの便でドバイから帰って来るし・・というので、半年ぶりに野外大バザールへ行く気になった。平均して野菜類の値段は1年前の秋とさほど変わらず、しかし品質は悪く廃棄部分がいっぱい出る。平均的なパキスタンの人々には違和感のない品質であっても、この1年ばかり近所に出来た大型店舗で買うモノとは明らかに違う品質だ。大型店舗の野菜類などは自分の手にとって選べるし、少なくとも腐ったモノは混ざっていない、おまけに野外バザールより高いというほどでもない(にもかかわらず平均的なパキスタンの人々には敷居が高いらしく、車で乗りつける客しか入らない)。ただ野外大バザールは八百屋だけで数百軒、だから並ぶ野菜類は品数が多く新鮮だ。日本と変わらない大型店舗は便利だが味気ない。大バザールはオバハンの趣味の範疇だ、どこで買うか・・まったく悩ましい。
パキスタン愛国者のオバハンにとっての野外大バザールは、40数年におよぶ暮らしの原点だ。大昔は40数℃の暑さをものともせず、体力に任せて季節に関係なく大バザールの活気が好きで通った、パキスタンで暮らしている・・その実感が大好きだ。でも近年は中古の衣料品も靴も大半が中国製に取って代わられている。昔のように品質の良いヨーロッパからの中古靴などは探そうにも見つけられなくなった。中古に限らず一般衣料なども中国製が店頭を席巻している。大バザールの一角には豆腐や油揚げ、こんにゃく等を売る中国食材店も出来た。中国の1州と嘲られるパキスタンだから・・と思いながらも、パキスタン愛国者のオバハンには大声でやり取りする彼らが、時には疎ましい。