アフガン政府 タリバン(イスラーム首長国)へ政権を委譲

ガニ大統領はきょう15日の午後、国民に対し「政権の委譲」の声明をテレビ局から流し、タリバーンの交渉役が大統領府へ入ったと。ガニ大統領、自力で踏ん張る気はゼロだったな、政権の投げ出しは想ったより早かった。
これで今後はタリバン政権(イスラーム首長国と称するらしい)が主導だ。タリバン政権の執行部は13日、全国民に対し「生命や財産、尊厳(名誉)が保持されると表明」。アフガン人にとって「男の名誉と女の貞操は命に代え難い価値がある」ので、それを害することはないとの表明。「イスラーム首長国の制圧下に入った住民は、総てにおいて通常の生活を送るべきで、国を捨てようとしてはならない。総ての隣接国に対し、自分たちの方から問題を起こさないと表明する。全外交官、大使館職員たち、外国人であれ地元民であれ、イスラーム首長国側から問題を起こすことはなく、彼らのために安全な環境を作る」など等など等と。現タリバン執行部は若くなった分、今までの執行部とはやや異なり、今風の世界観を持っている(知っている)ようだ。そして外部への宣伝も上手い。ただし、何時も書くように上意下達が思いっ切り行き届かない社会というか、自立した(というか、自侭に動く)男たちなので、額面どおりには受け取れない。執行部の一部は「その気」でも、過去において名誉を汚された男は(時によっては何代にも渡り)復讐を企てることがある。タリバーンを構成する主民族はパシュトーン人であり、彼らの間には40近くもの守らなくてはならない「掟」がある。タリバンの執行部と個人は大いに異なる面がある。
そうした混沌が続きそうと言うか、始まる中で米大使館員たちは退避を開始だ。