秋の夜空

中秋の名月、月を眺めながら2晩も続けて、6人用居住性抜群のテントで寝てしまった。満月の左横に仄かに赤い火星が瞬く。螢惑の星とも呼ばれる火星、中国の故事ではこの火星の輝き方で兵乱や疫病などの凶兆を示すとされていなかったか? 2日後の10月5日は火星が2年ぶりだったかで地球に最も近づく。不吉な蛍惑星のせいで今年はコロナ、飛蝗、洪水なのかとフト想ったり。東から上る月から目を南西頭上へ転じると、木星土星が並んで見える。息子の次女は土星の輪っかが見えるなどという・・そんなもん肉眼で見えるか!と思うが、夢を破ってはいけない。今月半ばには天体望遠鏡を出してやらなくっちゃ。    
屋上のレンガは昼間の熱気であぶられ、テントの床に敷き詰めた薄手のフォームを通しても、床暖房を入れたように一晩中ホカホカと温かく寝心地は最高。蚊は息子の次女の方へばかり飛んでいくし、蚊取り線香要らず。     
今夜、息子が帰パする。コロナのせいでパキスタンから日本への直行便が無くなり、今までのように簡単に日本へは行けなくなった。ドバイやカタール、あるいはイスタンブールなどを経由して、日本へ行くとなると40時間はかかる。息子も日本行をためらった挙句、ようよう腰をあげたが、オバハンのように仕事もない者は、わざわざ40時間も費やして日本へ行くこともない。(パキスタンに比べると)日本でのスピード感、決まり事などが苦手で、仕事でもない限り日本へ行きたいとの思いは40年近く皆無だった。が、70歳を過ぎた頃から(日本での仕事や約束事がなくなったせいで)訪日が辛くなくなった。後期高齢者になった仲間たちとの、昔と変わらぬ気分での旅行も楽しい。人間は勝手なものだと思う。その仲間と本当なら今ごろはチベット鉄道に乗っていた筈、チベットで星空を眺めていた筈が・・と、コロナ禍が残念だ。