安全な「遺体」の埋葬手順

死者が急増することを視野に入れ、パキスタン国立保健科学省は安全な埋葬に関するガイドラインを発行。公衆衛生上の細やかな注意、消毒薬を初めとする小物いろいろ・防護のための衣服など等の準備と使用法、ご遺体の清拭方法、汚染された物品の始末はどこそこの病院で焼却のこと等。通常の埋葬手続き+懇切丁寧なガイドラインだ。    
昨日もブログで書いた。田舎では現金収入の機会はなく、貧しい彼らに、このガイドラインはハードルが高過ぎる。政府はコロナ禍の死者を現在、僅か7人と公式発表をしているが、既に桁の違う死者が出ているとの噂があるから、このガイドラインが出された意味が解るというものだ。     
イスラーム教徒は100%土葬だ。キリスト教徒と同じように死者の復活が信じられているから、肉体を失う火葬はしない。イスラーム教による来世の考え方は「終末の合図とともに死者は墓から出され、神の審判を受け、信仰が正しければ天国へ。信仰が正しくなかった者は復活が許されず、地獄の火で焼かれる」とあるから、イスラーム教徒にとって火葬はあり得ない。   
イスラーム教徒も危篤状態になると導師が呼ばれ、コーランを唱えて聖水を口に含ませて貰えることから、(いまイタリアでキリスト教の聖職者が「患者の臨終に立ち会い」そこでコロナに感染し、犠牲が増えている原因の1つと重なって見えてしまう)というのを思い起こさせ、少し案じる。  
だが、何事も(インシャラー)神の御心のままに従うことこそが、深い信仰の証とあれば、田舎の住民にとってはハードルの高いガイドラインであっても、政府側は「国民に示した」ということで、意義があるのかもしれないと思いながらも、オバハンは暗澹とした気持ちになってしまった。