蝙蝠自身の罪ではないのに

 WHOの発表に疑問を持つのはオバハンだけではないだろう。当初、さほどの危険はないような発表だったが、日を追うごとに危険度というか感染力も強まっているという。ウィルスがどんどん進化・変異?しているせいもあろうかと善意解釈するが・・・そして中国の発表に対しては疑問どころか、当初からというか、中国経済を含め何もかもが発表通りでないのを誰でもが知っている。今のところパキスタンでは感染者が出ていないことになっているが、報道の規制が厳しい当地なので、これも大いに怪しい。   
武漢からチャーター便で日本へ帰って来た人の中には、「症状」がないにもかかわらず、ウィルスの陽性反応が出た人もいるという。政府は「指定伝染病」と決め、手を打ったつもりだろうが、そもそも春節で中国からの観光客が既にイッパイ入国していたろうから、残念ながら遅いわ。今回、日本政府の取った武漢肺炎に対する「指定感染症」なるもの。感染者や陽性反応者への「強制措置可能」という紛らわしい日本語も問題だ。   
2005年鳥インフルエンザの折、当地ではカラスの死骸が道にたくさん落ちていた。普段からたくさん落ちていたのかもしれないが、政府から「カラスに触るな」と通達があったことで、道端に落ちたままになっていた可能性はある。そしてカラスと同じくらい体長がある大蝙蝠も道に落ちていた(パキスタンのカラスは日本カラスより二回りくらい小さい)。緑豊かな町イスラマバードには蝙蝠の生息している森もある。明るい時間帯は何十、百単位で群れをなし、樹にぶら下がっているのが可愛くて、散歩がてらにワザワザ見に行っていたくらいだ(一時、オバハンは蝙蝠ファンだった)。当地では蝙蝠などを食べる習慣はないが、調べてみると蝙蝠はカラス以上にややこしく症状の重い感染症エボラ出血熱などの中間宿主になっているではないか。蝙蝠自身の罪ではないのに悪魔扱いされて可哀そうだ。