不気味な納豆

納豆を造らねばーーと思っているのだが、まずはその前に「大豆」を探さなくっちゃ。
パキスタンには「ダールdaal」と称する各種豆が豊富に販売されている。ダールは半割になったレンズ状の豆が殆どで、毎日の食卓に上がる。早く煮えるし栄養価も高い。だが、半割になっていて直径が3mmくらいのレンズ状の豆では納豆にならないと考え、頃合いの大きさに見えたインゲン豆で納豆を造ってみた。
インゲン豆を一晩水に浸けたら小豆色がさらに強調され、大きさも倍以上になった。その納豆としてはそぐわない不気味な段階で納豆にするのを諦めるべきだったが、納豆喰いたさ、がんばった。
柔らかく茹で上がった豆を40度くらいに冷まし、納豆菌をまんべんなくふりかけた。そうして出来上がった納豆はーーー粘りもあってーーー納豆のようになってはいたが、その色干からびたイモムシに小麦粉をまぶしたようであり、無気味の一言に尽きた。
生ゴミ ゼロを目指しているオバハン。もったいながりのオバハン。大概のモノは少々傷みかけでも口にするのだが、このインゲン豆納豆だけは見た目も悪すぎ、万が一 中って倒れたらと考え、口に出来なかった。
自分の根性なしに暫くはメゲた。