銃撃戦

今冬は異常な寒さだったとギルギットの住民たちは口を揃えて言うが、アフガンでもパキスタンでも特別に「寒さが厳しい」とするニュースはなかったような気がする……と、4月に入った今頃になって今冬を思い出している。

ギルギットでは-20℃もの厳寒日が続いた冬が終わり、2月半ばからセンターが再開。気候が徐々に暖かくなり、毎日の卒業制作にも力が入り、いよいよ4月3日に修了式。と思ったら… は~い、始まりました、始まりました。 
昨朝早い時間にギルギットから電話があり、「センター前へと入って来る大道路、チェックポストで宗派間抗争。銃撃戦で3人が死亡し、紛争は拡大の恐れがあるので修了式を延期する」と。 昨春のこの時期、おなじく修了式の真っ只中で銃撃戦が始まり、町の道路が封鎖されて陸の孤島となる前にと、転げるように逃げ帰って来たものな…  やはり、経費はかかるが教室を小分けにして活動をする方向になりそうだ。

パキスタンの独立系シンクタンクパキスタン平和研究所」では、年初めに昨2009年の「武装勢力によるテロや、戦闘などで1万2632人が死亡、負傷者は1万2815人。06年に統計を取り始めて以来初めて1万人を超えた」とする報告書を発表していた。テロや銃撃戦の件数にして2008年の倍以上になっていた記憶がある。 それ等の報告によれば、死者の内訳は武装勢力7945人、民間人3476人、治安当局者1211人。08年の死者は計7997人、負傷者は計9670人としていた。

アフガニスターンへのISAFNATOの増派で、アフガン・パキスタン国境付近での軍事作戦強化、パキスタンで非難が高まっている卑怯きわまりない米軍の無人機攻撃は、今年度も継続方針だというから、この無人機による攻撃が、逆に武装勢力への支持層を広げ、テロの急増を招いているとの見方は強い。何時も思うがアメリカが攻撃を強めれば強めるほど、一般国民からの反発も強まり国内でテロが増加しても不思議ではない。アメリカがパキスタンの不安定化を加速させているとの確信を、オバハンは何時も持っている。