アフガンで邦人の誘拐

またアフガニスターンで邦人が行方不明になっている。行方不明になった人、そして日本大使館へ「連絡」をして来たという人ともに知らぬ仲ではないので案じられ、昨日は朝からアチコチへ連絡を入れて状況を聞ていた。TVのニュースでは鳩山首相の奥歯にモノの挟まった言い方を聞き、まずは身代金狙いの可能性を感じ取ったオバハンだ。
徐々に状況が判って来た昼前、タリバーンに深く食い込んでいる知り合いからの電話で、「タリバーンは、この誘拐・拉致に関与していない」と言っていると。 で、それを聞き、ああ、やっぱり(正規の)タリバーン以外の武装勢力、あるいは武装強盗群に拉致されたのかも…との思いを深くしている。

しかし問題は、邦人と共に2週間も行動を共にしていたアフガン人が、誘拐・拉致された現場クンドゥズの町からカーブルへと帰って来ているという現実だ。誘拐・拉致したグループの情報を持つ人、また、それらとの交渉に介添えをするべき人が「現場」を離脱しているということだ。
アフガンで誘拐・拉致の交渉をする人は文字通り命がけだ。1年ほど前だったかな? カーブルから3時間ばかり南ガズニの町で韓国人技術者が2人だったか3人だったか拉致された。(2年ほど前に20人余が拉致された統一教会とは別件)
その折の、韓国人技術者たちを解放する条件の一つに、アフガンに駐留している韓国兵の撤兵というのがあった。一応、韓国は撤兵をしたようだが、撤兵をした直後の昨年末だったかに、韓国政府は改めて増派の決定をしている。アメリカに追随をするアフガン地方復興チーム(PRT)としての増派であっても派兵は派兵であり、人質解放交渉の表に立った現地の人はメンツを潰されたわけだ。当地の常識から行けば交渉の仲立ちをした人は殺されても文句は言えまい。また、タリバーン側としても黙ってはいない気がするが。

今回の邦人行方不明も、今後はどうなるのか判らないが… 解放交渉の矢面に立とうという現地人を捜すのはなかなか大変だろうと危惧している。いずれにせよ早い解決が見られるようにと祈っているが。