バザールで主食の売り惜しみ

当地の新聞によると、ラマダーンに入って食料品の何もかもが大幅に値上がり、主食の小麦粉(アタ)などは、かってないほどの欠乏状態と一面トップで報じている。
また、普段の月より良く食べるラマダーンで庶民が困らないように、公定価格で小麦粉や砂糖などが売られているのか、どうか?政府は監視を厳しくすると。
さらには、首相の肝いりでラマダーン期間中に限って、野外市場が開設されたとのことで、雨上がりの青空に気を良くしてオバハンは出かけて来ました。

なんのことはない、一般店頭より安いのかと思ったが、野菜などもさほど安くはなく品数も貧弱。毎年、ラマダーンの期間中に開設される臨時野外市場の5分の1規模。
雨上がりの泥濘をものともせず、履物を泥だらけにして頑張って歩き回ったけど、わざわざ出かけて行くほどのこともなく、収穫はイマイチ。

市場に欠乏しているという小麦粉、米などは店頭に並んでいるものの、店員は椅子から腰をあげようともせず、手のひらをヒラヒラ振って「売れない、売れない!」 「販売しません!」だって。
何でやねん?? 売らないのなら店を閉めておけばいいではないか!! 
店頭でブツブツ文句を垂れるオバハンをよそに、薄笑いを浮かべる店員。
帰宅して息巻くオバハンに、「店を閉めておくのは政府から禁じられているし、公定価格より高値で売れば罰金なので、適当な理由を付けて売らないのだ」とは、息子からの説明。ちなみに本日の売れない理由は「雨が降って小麦粉が濡れた!(オバハンが見た限りでは濡れてはいなかった)」と。
早い話が、近々、主食類はさらに値上がりするらしく、売り惜しみをしているだけという。
まぁ…新聞通りか、どうか? バザールを見に行って確認したかっただけのオバハンなので、それはそれでいいが、一般庶民はどうするのか…

実際、野菜や果物などは数年前のナント!!数倍~10倍ではないか!!! 
イスラーム教では自殺を禁止しているにもかかわらず、昨今の生活費の値上がりでは暮らせないと自殺者が出ている由。住み込みの従業員たちなど、20数人の食費も飛躍的に増えたはずだ…  通いの者たちも、普段は朝7時に来て従業員食堂で食事、夕食も食べてから帰宅する者が多い。
給料は、ここ数年で、せいぜい倍くらいにしかなっていないと思う。
生活苦の不満の矛先は、当然、政府に向かう…