断食明け

2024年の断食明け、メデタイ祝日が明日10日らしいが、日本にいると断食中の緊張感や、明ける喜びがまったく無い。酷暑・乾季の40℃を超える中での17時間にもおよぶ断食は辛い。特に湿度10数%という中での水も飲めない状況下では、夕方5時くらいになると、身体中が文字通り干からびて、せめてシャワーを・・と身体を労わりたくなるものだ。だが、この3月4月であれば15時間足らずの断食だし暑さも無く、余裕のある家では普段よりも豪華な食事が摂れるので「嬉しい」と感じる人も多い。ただ昨今の厳しいインフレ下、日々の食事もままならない人も多く、治安は最悪。カラチでは断食月の1ヶ月間だけで約7000件近い街頭犯罪(ひったくりや、自動車盗難など等)だというが、これはパキスタン各地の犯罪数よりも低いとか・・
イスラーム教徒は、この断食を通じて空腹や忍耐を通して、貧しい人々の立場や辛さを理解すること。そこから謙虚さや自制心を養うこと、自身の信仰心を深めることを目的に過ごす1ヶ月間だが、昨今の一般大衆の困窮から想えば、自分より金持ちから盗むには罪が無い(薄い)とでも考えているのかな。

この聖なる断食期間中もパレスチナ人に対する絶え間ない攻撃。イスラエルの強硬姿勢には全世界のユダヤ教徒1400万人は、世界中のイスラーム教徒21億人からの憎しみを受けたに違いない。パレスチナハマスイスラエルへの攻撃から半年で死者は3万3000人を超え、昨今では餓死者も出ているとの報道だ。UNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関の職員が、10月7日のイスラエル襲撃に「関与していた疑い」とのことで、日本を含めて10カ国以上がUNRWAへの資金供出を停止していたが、この餓死者までが出ている状況下、即時再考は必須だ。アメリカは大統領選を控え、今頃になってバイデンはパレスチナへの食料投下とか言い出しているが、投下できる食料などはしれている。おまけに海へ投下された僅かな食料品を取りに海に入り溺死した人の多いこと・・その上、国際機関で働く援助関係者だけでも220人からが犠牲になっている等と読めば、もうイスラエルの罪深さは底なしにも想えて来る。
世界中のイスラーム教徒21億人が心待ちにしている断食明け、せめて明日だけでもお腹いっぱいにしてあげられないものか・・と、21億人全員が祈っていることと思う。
アッサラーム・アレイコム(平安がありますように!)