アフガン兵士1000人超え、武装勢力が怖くて脱走

反政府武装勢力タリバーンの攻撃が怖くて、1037人の政府軍兵士がアフガン北部のバダフシャーン州から、隣国のタジキスターンへ(国境警備隊の許可を得て)逃亡とAP電。タジキスターン国家委員会でも「逃亡兵に関する声明」を発表している。
アフガン政府軍兵士の士気の低さ、武装勢力との圧倒的な兵力差、政府からの乏しい補給などが「無抵抗に近い敗退の原因」だと指摘されている。首都カーブルからバダフシャーン州へは陸路10数時間の1本道。道半ばのクンドゥース州を中心とした地域には、反政府武装勢力の核をなすパシュトーン族が暮らす。「戦闘らしい戦闘が行われないまま、軍、警察、情報部が前哨基地を放棄し、州都ファイザバードへ逃亡」とのAP電だが、実際問題、首都から州都ファイザバードへ空輸補給でもなければ、戦闘など出来まいに。反政府武装勢力が進駐して来たと聞きつけば、政府軍兵士の中には直ぐさま武装勢力に寝返る者もあろうし、隣国へ逃げ込む者もあろう。不思議でもなんでもない。寝返る者はタリバーンと同じ部族の出身者であり、逃げる者は隣国タジキスターンと同じ民族であるタジク族の者であろう。彼ら同士は顔を見ただけで何族か判る。
欺瞞と裏切りのアフガンである上、政府軍兵士も警官も「金を出せ!」と銃を向けて来るような社会だ。オバハンもアフガンでは計4回銃を向けられ、脅されている。いずれの4回とも政府から正式に付けられた護衛たちだ。それですら銃を向けて金を出せ!と平気で言うのがアフガン人だ・・
現在、アフガン政府の管理下にあるのは、首都を中心とした全土の7分の1くらいか。対して武装勢力の管理下にあるのは全土の半分以上だ。米軍が完全撤退するまでもなく、直に全土はタリバーンの管理下になるだろう。