臓器売買

本日の首都英字新聞、トップは臓器売買に関与した医者と助手、警察官などが逮捕されたと。
つい先般、パキスタンでも臓器売買の禁止法案が国会を通過、取締りが厳しくなったことの事例か。

当地では、このたび正式に臓器売買禁止法案が国会を通過したが、法案が通過する以前も臓器売買は公には出来ない事柄だったし、オバハンが知る限り日本や欧米、中東で言われているように、パキスタンは臓器売買自由市場ではない。たしかに近年、中国やインドなどの臓器供給地が規制を強めたこともあって、パキスタンが臓器売買で注目を浴びていたらしい。

身近な事例では、息子の友人の弟も臓器移植を受け、元気に暮らしている。しかし、それもごく内々で移植されているし、近親者しか知らない。公に出来ない事柄だと皆が知っている。
インターネットなどでは、「腎臓移植可能な病院」というのを検索すれば、パキスタンの病院がヒットするらしく、必死な人はいろいろ探し当てるものだと、驚いてしまう。
そして当国では、約200万円ほどで腎臓移植が可能らしい。

確かに、一昨年のパキスタン地震の折にも、生活が困窮、腎臓を売る人の話を聞いたことがある。また大地震で被災し孤児になった子どもを引き取り、成長した子どもの腎臓を売る人の話もあるにはあった。
パキスタン保健省が地震で孤児になった子どもたちの海外養子縁組を、地震後、わずか1週間足らずで禁止、規制したのは臓器売買を恐れてというから、そうした事例は多いのかもしれない。

きょうの新聞では腎臓の値段は僅か20万円、仲介者へは3万円と。
パキスタンやインドのような貧しい田舎の、働く場所もなく、生産活動に携わる機会もないような人間にとっては、自分と自分の家族が生き延びるために、必要不可欠な「売買」という行為を、第三者のオバハンたちがどうして責められようか…

臓器売買をしなくても暮らせる社会、子どもたちを口減らしのために神学校へ預けず各家庭で食べさせることが出来、最低限の読み書き算数を学ばせることが出来るようになる日が、パキスタンには来るのか。