ラール・マスジッド事件で1歩も外へ出られなかった時、気もそぞろで何も手につかなかったのでブログを開始し、ゴルフ・ゲームの合間には、mixiにもチョロチョロ書き込みをして気分転換をはかって歩いた銃撃戦の10日間……
最近では自分のボケ防止を兼ねて、毎日20~30分の書き込み時間を設けているのだが、書き出すと一種のクセになるようで、書き込みをし、また書き足りないのが自分でも気になる…という悪循環で、ちょうど1ヶ月か…
昨日のmixiでは、知らない方だったが、幾つかの質問を下さった。
オバハン自身はイスラームやパキスタンの専門家ではないし、うまく「ご教授」が出来るとも思わないのだが、自分自身の頭の中をまとめる意味合いも含めて、説明の努力をしてみた。
ただし、あくまでもオバハンの私見であることをお断りしておきたい。
質問① イスラム教原理主義者と呼ばれる方たちのことです。 過激な行動でよく知られていますが、彼らはイスラム社会ではどのように位置づけられているのでしょうか?
聖典(コーラン)の解釈は、教える側や学ぶ側の出自や教育の程度によって、ある程度、異なって来るのだとオバハンは感じている。日本で仏教宗派が幾つにも分かれているように、解釈には(極論で聖職者たちや専門家には怒られそうだが)10人10色と思えば簡便でいいと思う。
通常、田舎のムッラー(導師)は、神学校でコーランを丸暗記しただけの人も多く、中には読み書き皆無の導師もいるという。欧米諸国で高等教育を受けた人と、世間知らずなアフガンの田舎しか知らない人とでは、コーランの解釈が違って当然といえるかも…。
サウジアラビアやアフガンに限らず、イスラーム原理主義者たちは、ムハンマドが生きていた時代の解釈に拘っているのだろう。そうなると当然、時代に合わない事柄もたくさん出て来るが… でも、だからこそ「原理」主義者なのかも。
当地では原理主義者だからと言って社会から疎外されることはない。むしろ尊敬されている人が多いと言える。現に宗教指導者たちの多くは国会議員になって最大野党を結成し、実力も兼ね備えているもの…。
また、原理主義者だからといって暴力や武力に訴えるわけでもない。
原理主義者、原理主義過激派、原理主義武闘派、純然たるテロ組織(アルカイダ)、それぞれ異なると、オバハンは思っている。日本の報道では、これらを明確にしていないことが問題なのかも。
日本ではタリバーンとアルカイダが一緒だと思っている人が、多いのでは??
質問② 若者たちがイスラム教原理主義にひきこまれずに平和なイスラム社会を築くにはどのような方法が有効なのでしょうか?
上記、とりあえず4分類したオバハンの個人的観点から考えると、原理主義者が悪いとは思えない。
貧しい田舎の子どもたちは、口べらしのために食住無料のマドラッサ(神学校)へ預けられ教育(コーランのみと聞いている)が受けられる。そうした純粋な子どもたちに過激なイスラーム思想を吹き込む一部の導師が悪いと思えるから。
悲しいことにイスラーム諸国の多くは、一部をのぞき社会全体が貧し過ぎる。教育のない親たちには神学校はよりどころであり、他に選択肢はない。
平和のためには、子どもたちに心配なく食べさせることが出来、適度な教育を受けさせる余裕のある社会、それが望まれる。パキスタンでは1日1$以下で暮らす人の割合が人口の50%、アフガンでは70%というデーター(2005年度の世界子ども白書UNICEFだったかな?)がある。
現に(通常は)金持ちの子弟でタリバーン(神学生たち)になることは極少だと思う。
マドラッサ(神学校)で学ぶ学生(ターリブ)は、すべてタリバーン(ターリブの複数形)と呼ばれ、そういう意味では、タリバーンは日々とめどもなく生まれていく存在だ。
「外国人は我々の国から出て行ってくれ、我々はイスラーム(清浄)な国を作りたい」と原理主義過激派は願っている。
娯楽的な音楽やTV番組、享楽的なものは一切禁止。特に40℃以上にもなる中で、1ヶ月間の断食(未明3時頃から夕方7時頃まで水もなし)を成し遂げた時の達成感、充実感。イスラーム教徒同士の苦しみ(乾きや飢餓感)を共有したという連帯感、神への祈りで満ちた清々しさは(自己満足かもしれないが)体験した人でなければ理解は出来ないし、表現もできない。イスラーム教徒でなくとも、イスラーム教を心から誇らしく思えるし、こうした生活のない日本人を可哀想にと感じる一瞬でもある。
イスラーム教(の教えや生活全般)を他者から必要以上に強制されると辛くて不快だが、自分の意志でストイックな暮らしをする分には、清々しくて快適だと感じる。
ただ、「神への絶対服従」ということが日本人の私たちの理解の範疇を超えるので、オバハン自身は真のイスラーム教徒にはなり切れないと思っている……
質問③ 戦乱の多くに彼らが関与していると日本で報道されていますが、実際はどうなのでしょうか?
アルカイダは純然たるテロ組織。オバハン自身にはテロを容認する気は一切ないが、大国に搾取されたままの貧しい途上国の人々にとっては、テロでしか大国に対抗が出来ないという反面があると、オバハンも思っている。そして、それらのテロの多くは確かに彼らが指導していると思われるが、さて、そうなると、その資金はどこから?
戦乱が絶え平和な社会になることを望まない、邪悪な一群れの金持ちや軍産複合体が、世界中に存在する幾つものテロ組織に資金を出し、社会の混乱を作り出しているのだろうと、オバハン自身は考えている。
イラクやアフガンは、最新兵器の試験場であり、古くて処分しなければならない兵器の捨て場所(消費)と言われる所以で、作っても捨てても儲かるのだから、それらの邪悪なグループはどこまで行っても戦争や紛争を止めることは出来ない構図になっていると思うのだが……
アメリカがオサマ・ビン・ラディーンたちに資金提供、あるいはサウジアラビアの王室が資金提供、なにが事実であっても不思議ではない世界だと、一庶民の側で生きているオバハンには、ブログのなかでしか鬱憤は晴らせないわね…
とりとめもなく、長くなったけど…
ご質問への返事ね!! 「ご教授」にはほど遠いけれど、堪忍願います!!
写真は、ラール・マスジッド近景。
すっかり塗り替えられ、ラール(赤色)ではなく、クリーム色になりました。
本当は、表から撮りたかったのですが、ガードが厳しく、裏からの写真です。
小さく写っていますが、ブルーの制服を着た人たちは、警察官です。