銃乱射と自爆テロ、和平は遠い

4日続きで春雷と雨。葉を落とし幹だけを黒々と並べている雑木林の中に、真っ白な杏の花が満開となって存在を誇示している。庭のスイトピーも小さな蕾を付け出し、イスラマバードは本格的に春めいて来た。しかし山沿いでは降雪がひどく寒さも緩んでいないようだ。まるで政府と武装勢力との力関係みたい。

先月6日から始まったパキスタン政府とタリバーンとの和平会議。予測に違わずというか…残念なことに、やはりまとまりそうもない。 政府もタリバーンも依って立つところが根本的に異なるのだもの、無理からぬわ。  
現代に生きる世俗的な政府と、預言者ムハンマッドが神からの啓示を受けて作り上げられたクラーン(コーラン)、そしてハディースと呼ばれる預言者の言行録、これらに従ってイスラームの原点に回帰しようとするタリバーンたちでは、どこまでもどこまでも、どこまでも平行線だ。

政府軍・武装勢力側、この2週間ばかりでいったい何人がテロや、政府側の空爆などで犠牲になっているか……  つい数日前、1ヶ月間の停戦がなったと言いながら、首都では1ヶ月近くにわたって「超厳重警戒」が続いたままだ。テロリストが10人以上、市内に潜伏だと言われ続けられて1ヶ月か、それ以上か?  毎週、毎週、発出される「警戒警報」 まったくオオカミ少年だわ…… 
そして、今朝7時には重装備の兵士やヘリコプターが出動したというから、政府は何かを掴んだ模様。 だが朝8時半、市内、F8地区内に所在する地方裁判所内において、爆発・銃撃事件が発生。
判事を含む13名死亡、及び25名が負傷。 オバハンは安否確認の電話を大使館から受けて、久々に膝が震えた…  朝、息子が裁判所へ行って来ると出かけていたから。息子は裁判所近くの道路で大混乱に巻き込まれただけだったというが、オオカミ少年よ、2度と出てくれるな!!!と言いたい。

犯行声明が何処から出るのか、出たのか知らないが… 和平交渉は遠い。