タリバーンの皮鞭

いやいや涼しい。というか4月だというのに先週イッパイは寒いくらいで、週末などは夏がけの布団だけでは寒く、再びタオルケットを引っ張り出してしまった。かっての4月10日といえば40℃を超え寝られないくらいに暑かったものだが、きょうも薄曇り空で涼しく有難い。

先日、刊行されたネイチャー・ジオ・サイエンスとかによればカラコルム山脈では、21世紀初頭に微量ながら氷河が増加し、これは地球温暖化により氷河が減少する世界的な傾向とは逆の流れを示していると発表されているとか。カラコルム山脈の氷河は30年前に比べて大幅に痩せては来ている、しかし、ここ10年という短い期間で見れば降雪が多く、気温も低かったので氷河が増加したかもしれない。 世界的には温暖化というが、ここパキスタンに限って想えば温暖化はどこの話か??という感じだ。

温暖化は…というか、過熱しそうなのは… 再び力を持ち返しつつあるタリバーンか。先週末からのタリバーンの一連の動きは過激だ。 旧北西辺境州ではロケット弾やライフル銃などを使って武装勢力が刑務所を襲撃、受刑者の半数、約400人近くが脱走と。またアフガンの首都で大使館が集まっている中心部での派手な攻撃…。なかなか組織立った動きを見せたのは通信手段のなさしめる事柄の一つだと半ば感心している。

通信手段というのは、そして簡単に色々な情報が拡散され、手に入ることは一つの権利でもあろうが、恐ろしい結果をも招くものだと心せねばならない。オバハンもこの2年、凄く気をつけるようになっている。
何日間か前には、カーブル市内で女性のためのネットカフェのオープンが報じられていた。アフガンに於いてはなかなか画期的な事柄であるとして新聞は報じたのであろう。しかし、これなども現地の女性にとっては危険極まりない報道の一つであろう気がしてならない。 オバハンが911同時多発テロ以降、関わっている「アフガン難民を支える会-SORA」の縫製教室や識字教室は、この数年、文字通りヒッソリ、ヒッソリ目立たないようにして運営されている。

過日アフガンでは、女子校で給水器に毒が入れられ、その水を飲んだ生徒150人以上が中毒症状で入院したと。アフガンでは、まだまだ女性が学んだり家の外へ自由に出歩ける環境は整っていない。どこにでも「女子教育に反対する人」というには居る…
きょうは大掃除をしていてタリバーン時代に宗教警察が使っていた、10cmもの幅広の特殊な皮鞭を見つけ、あらためてタリバーン時代に想いを馳せてしまった。