パキスタンは中国に海軍基地を建設するよう要請

昨日のTTP(タリバーン運動)によるカラチ海軍基地襲撃事件は、一昨日の夜から昨日朝にかけての銃撃戦と、13回にもおよぶ爆破で死傷者多数であったと報道されてはいたが、その銃撃応酬が17時間にもおよんだと、今朝は新聞を見て驚きが勝った。 たかが10数人の反政府武装勢力と正規の「海軍」が戦って…17時間もの応酬の上、アメリカから供与された対潜哨戒機だったかなを2機爆破されたと。 武装勢力側は自動小銃やロケット砲、手りゅう弾などで武装した上、下水道などを通って基地内に侵入だと報道されているが…内に協力者がいなければ難しい作戦だったろう。
いずれにせよ短期的に見るならば… アメリカによるオサマ・ビン・ラディンの殺害??は、今のところ報復の連鎖になりつつあるようだ。ただしアメリカが撤退(または駐留の大幅縮小)をするならば、事態は変わるのかも。

昨日の英紙フィナンシャル・タイムズでは、「パキスタンが中国に対しインド洋(アラビア海)に面するグワダル港に海軍基地を建設するよう要請した」と報じているとか。 今年に入ってからの米パ関係は日増しに悪化しつつあり、この要請にはアメリカや敵国インドを牽制する狙いがあるのは確実だろう。
すでに中国は、中東やアフリカからの石油等を運ぶ海洋交通路を確保するため、インド洋周辺国の港湾建設を(大規模支援を含めて)進めて来た。(中国はインドを取り巻く国に重要な港を(建設し)押さえることで支援国を経済的に取り込み、かつ軍事的にも睨みも利かせようとしている。確かインド洋を取り巻く真珠のネックレスに例えた名前のプロジェクトと表現されていたが…) で、中国にはグワダル港の整備と大開発が10年近く前から任されていた(オバハンは例によって物好きにも、港湾建設開始直前のグワダル港へ軍や政府からの特別許可を貰い、警察からの警護までつけてもらって調査に行った)  

グワダル港はパキスタン国内で唯一、大型船が出入りできる港だし、中国はグワダル港からパキスタン国内を縦断して中国西部に至る石油パイプラインの建設を目論んで(カラコルム・ハイウエーの拡張をも現在、実施)。 そのグワダル港へ、今度は海軍基地を建設するように中国へ要請だってぇ~!! グワダルはイランに至近、ペルシャ湾にも近い要衝の地なのでアメリカの反応が見ものだわ…

いみじくも、「オサマ・ビン・ラディンを巡るアメリカの手前勝手」という品のない文章を書き散らした日、http://blogs.yahoo.co.jp/kimagure_obahan/64483360.html ヒロシさんという方の書き込みがあったように、「パキスタン政府はアメリカの支援を断るべきでしょう。代わりに中国からもらったらどうですか? アメリカが折れてきますよ」ということなのだろう。 おなじヤルならパキスタンも、「あるいは北朝鮮みたいに核技術の移転でアメリカを恫喝しては? 」との意見にも理解ができるが、個人のポケットへ入る莫大なる金が最優先の当国指導者たちには、米中を天秤にかけながら、よりポケットがいっぱいになる方へ動くという見識しかないだろう。残念なことに…