謀略

調べることがあって昭和初期から敗戦後、数年間の本をここ暫くずっと読み漁っている。敗戦後の混乱を直接には覚えていないが、本を読むにつれオバハンの父親たちが交わしていた会話などから思い出すことも多い。松川事件下山事件、特に松川事件などでは死刑判決を受けた人の家族たちが全国行脚をしていたのだろう、我が家へも泊まって「小集会」を開いていた関係上、幼心にも良く記憶している。

敗戦後の日本における、あるいは韓国におけるアメリカによる幾つかの謀略の裏面を読んでいるうちに、眩暈がして来た。4月末の荒天下、日本海フェリーで船酔いをして以来、持病のメニエール氏病が誘発され未だに治まっていないらしい。 だが、同時にアメリカによる謀略は、いまも世界中で毎日のように繰り広げられており、パキスタンやアフガンでの出来事にも重ね合わせ、不愉快さで胸が悪くなってしまったようだ。

いま、またパキスタンでは…ムシャラフ元大統領が次期総選挙への出馬を明言したというのも、現ザルダリ大統領には物足りないアメリカが、糸をひき出した結果であろう。アメリカは自国の言うがままになる人間を、何時の場合にも大統領や首相に据えることが可能だ。ムシャラフ元大統領は、いまパキスタン最高裁での喚問にも応じ、パキスタンへ戻って来るとロンドンで気勢をあげている。
かってムシャラフ大統領の支持者であったところのオバハンなどは、複雑な思いでムシャラフの言動をみつめている。ムシャラフ軍事政権時代の半ばまでの元大統領は確かに有能だったと思う。アメリカが言い募る「テロとの闘い」の最前線に立たされながらも抵抗するところは抵抗し、頑張ったとも思う。

テロの本質は自分たちの存在を脅かされ、文化や宗教を否定(抑圧)されたことによって起こるのが主だから、その辺を理解すべきなのだと、昔は単純にオバハンも思っていた。しかし、ここ数年、「テロは単にアメリカが戦争や紛争を起こし続けていたいだけ」だと理解した。
強大な軍産複合体を抱え、アメリカ経済を牽引させて行くには、戦争をすることでしか繁栄しないのだからと。