パキスタンはどうなるの?

大統領選挙から10日、ブット元首相の夫ザルダリが大統領になった実感を人々も持ち始めた。
わが家には、夕方のイフタール(1日の断食が終る時間の食事)には、連日のように10~20人もの招待客が見えている。今のところ、ザルダリが大統領になったことを喜んでいる人には会ったことはない。そして、誰もがオカシイと感じている。

ブットが首相を務めた時代に、夫のザルダリが中心になって関わった疑獄は幾つもある。その中のひとつは○○プロジェクトと言い、ムシャラフによって訴追、8年間だったかも獄に繋がれ封鎖されていた。それが大統領になったとたん、○○プロジェクトとして復活した。
お客たちの話は、「国のトップが自ら、何をしても良いという手本を国民に示しているのだ。やり得ということだ!」 「何でもあり、何をしても良い」 「この国はどうなるのか?」という話でもちきりだ…   
中にはブットの首相時代に広告宣伝の打ち合わせに自宅へ行ったら、「ごく普通の奥さんをしていて驚いた」と言う者もいて、なかなか興味深い。また、パキスタンから逃げて家族でドバイ暮しをしていた頃は、ザルダリと一緒に町中で楽しそうにアイスクリームを食べていて写真に撮られ雑誌に載っていたと言う者、2人は離婚寸前だったがブットが暗殺されたことで危機は回避されただけではなく、とてつもない地位を掴み取った…という者、ザルダリに関する話題は尽きない。
しかし、最後は必ず「どうなるのか?」で締めくくられる。 オバハンもつい先日、ザルダリ大統領のことは書くまい…と決心したにもかかわらず書いている…  パキスタンのことを憂い嘆いても仕方がない、所詮オバハンは外国人だ。パキスタンに置いて頂いていることを感謝しつつ、オバハンはオバハンで別の世界(趣味)を持とう… と言いつつも、ついつい新聞やTVのニュースを見て案じている。


アフガンとの国境沿い(パキスタン側)部族地域には、アフガンからアルカイダイスラム過激派タリバーンが流れ込んでいるとされ、米軍は春から危機感を募らせている。とうとう先月末からは米軍特殊部隊が(パキスタン政府の許可も得ず)掃討作戦を実施し始めた。アメリカは春先だったからか?パキスタン政府の事前承認は必要としないと言って来たことを実行に移したようだ。
とにかくTVニュースで見る国境沿い(バジョールなど)のパキスタン軍による戦闘は激しい。一般市民が暮らせるような状況ではない… ムシャラフアメリカの強圧に屈して部族地帯でオペレーションを実施して以来、数年。家を失くした人が100万人と言うのは大げさにしても、充分にあり得る話だ。