待っていたら餓死するだけだ

一昨日、カラチ市内の私有地で、貧しい人々に対し無料で食料配布をしていた折に数百人が殺到、30人以上の死傷者が出た事故。 警察当局は毎年、この断食月に善行を積んでいた男性に対し、「事前の届出をしなかった」として逮捕をしたが、即日で釈放した。 男性は当局に届け出をし、翌日も再び配布を開始。その際には混乱の防止にと警察官数人が人出の整理に出たが、配給券の争奪戦で再び大混乱になったと。
断食月にはイスラーム諸国のアチコチで多くの人が善行を積む。そためにパキスタン各地でもカラチと同じような混乱が起きている。 オバハンの家とは空き地を挟んだ向かいの通りでも、製糖工場を営む男性が貴重品となった砂糖を配布、30人余が殴り合いをしたとスタッフが話している。

負傷した人へのTVインタヴューによれば… 「家で待っていても餓死するだけだ。それならばここで混乱に巻き込まれて死ぬのも同じだ。死ぬつもりで頑張れば、子どもたちに食料を持って帰ってやれるかもしれない」と、答えていた女性には心が痛んだ。

諸物価の異常な値上がりで、充分に食べられない人口が増えている。報道によれば世界食糧計画の調査では、パキスタン総人口1億7000万人の約24%が栄養不足の状態に陥り、5歳以下の子供の40%近くが標準体重に達していないという。