ギラニ首相「私は歴史を作る」

8月半ばにはパキスタンやインドの独立記念日があったり、日本の敗戦記念日もあった。一国の独立や戦争・平和について考え、その後は昭和初期から敗戦に至るまでの本を読み漁っているうちに1ヶ月もが経ってしまった。 そもそも大量の本を読み始めるに至ったのは、8月15日のブログ(民主・社民党が、「政権を獲得した場合、靖国神社に代わる新たな国立戦没者追悼施設の建設を目指す方針」なるものには、個人的に疑問を感じている)にあったコメントもきっかけだった。

この1ヶ月間は事務所にいたにもかかわらず、珍しくブログの更新もせず自分の世界に篭もっていた。
1ヶ月間のパキスタン国内情勢などは日本を含む海外から見れば、なんということもなかろうが、多くの動きがあった。そして、その多くは裏面にアメリカの思惑が見えた。
住民にとってプラスになるのか、マイナスになるのか一向に判断がつかないが、印パ独立時からの懸案、紛争の元、カシミールや北方地域を巡る問題。 それは未だに国連の調停により、「Undecided Area」と言い、暫定的にパキスタンに帰属していたが、これが正式にパキスタンへ帰属すると3週間くらい前から新聞に載り出した。
1ヵ月半くらい前の印パ首脳会談で、ギラニ首相が「私は歴史を作る」と発言していたのは、たぶん、このことだろう。

その後はムシャラフ元大統領の処遇に関して政権は右左に揺れ、これも結局はアメリカの意図に操られるというか、アメリカの言いなりにならざるを得ないような結果になりそうだ。しかし、これはまだまだ問題をはらみ、しこりが残る事柄となって行きりそうであり、国を揺るがすことにもなりかねない…


断食月も後1週間足らずで終る。断食月に入ってからの諸物価の値上がりは予想を遥かに超えるものであり、ルピー・バリューの下落に伴い砂糖や小麦価格などに直接それは跳ね返っている。バザールで砂糖や小麦粉が払底(というか、品物隠し)  政府は基本的な食料品の価格を決めてはいるが、守られてもいない。結局、市場価格より2~3割も余分に出さね砂糖が買えないという有様だ。小金のあるものは良い、そうでなければこの物価高を乗り越せない。オバハンでさえも1kgが260Rs(従業員の2日分の日当近く)もする葡萄を初めとする果物には手が出せない。

断食月に善行を積むつもりでアチコチでは無料で砂糖や小麦粉などなどを配布しているが、それら品物の争奪戦で怪我人続出。 実際的な問題として一般庶民の物価高に対する怨嗟の声は大きい。連日のTVでもその話題しかない。 そんな中、昨日は無料物資を巡りカラチで18が人死亡。善行を積むつもりが騒乱を起こしたとして刑務所へ… パキスタンは末期的状況だな。