テロの質

ようやく日本から帰って来ました。
3月半ばのロング・マーチは、予想通りにパキスタン国家の崩壊に至るのではないかと思わせる混乱になった模様だ。15日の日本行きフライトの予定を早めて12日にイスラマを出たのは正しい判断だったが、肝心な時に居合わせていなかったことが後悔された…。どんな事象もパキスタンに関する事柄なら眼に残しておきたいもの。

ここ数年は年に2度(12月と3月に)日本へ行くパターンが定着してしまったが、日本からパキスタンへ帰って来るたびに心底ホッとする。 治安の悪化で、パキスタン在住の外国人には日増しに暮らし難さが増すパキスタンだが、オバハンにとってはその暮らし難さも含めて限りなく愛しいパキスタンだわ。

留守の間、それも最近、イスラマバード市内では2度にわたって自爆テロがあった由。そのうちの1つは近所(と言っても2km以上は離れていた)様子だが、日本で見たTV画像と解説やネットのニュースでは実像が分からなかった。息子はオバハンが日本で心配をしているだろうと直ぐさまメールをくれたようだが、田舎なのでいちいち電話回線にピ~ヒョロロ~と繋いでニュースを見るしかないので、日本大使館に近い違う場所での自爆テロと思い込んでいた。TVやネットの国際ニュースの不確かさヨ!

それにしても最近の大きなテロは昨秋以降、今までの単純なテロとは質が異なること甚だしい。9月のマリオットHTL延焼。11月のインド、ムンバイのテロ。1月ラホールでのクリケット・チーム襲撃事件。3月ラホールの警察署襲撃など一連のテロは訓練の行き届いた、10数人のテロ集団による果敢な攻撃によるもので、いずれもが緻密に計算され、手口が鮮やか過ぎ。さらにテロの現場までは簡単にたどり着けないことなどを考えてみると、政府は関知していないが国内部に犯行を協力する資金豊かで大がかりな組織の存在があるのは確かだ。となると、考えられるのは… 

それから思うと、このイスラマバード市内のテロは昔どおりの単純な??反政府テロに見える。もっとも、どのテロも有難くはない。