ムシャラフ大統領、辞任表明

いよいよ本日午後(後3時間くらいで)、ムシャラフ大統領が辞任するのではないかと、見られている。
パキスタンでは建国(独立)以来、大統領に対する弾劾の前例はないと伝えられている。 特に1970年代末より強権を持つようになった大統領を弾劾するなどは、皆無だった。 が、11日から各地で招集された州議会では、圧倒的多数でムシャラフの弾劾に向けての決議が可決されている。

次の大統領にはブット元首相の夫ザルダリであるとか、ザルダリの姉とか、(オバハンには)聞くに耐えられないような話もあるにはあったが、PPP+PML(N)にムシャラフ派PML(Q)からも連立政権に合流するというからには…(ムシャラフが弾劾されそう、あるいは辞任すると言われ出した途端に、風が変わった。ムシャラフ派から大勢が元のPMLに戻る。PML(N)+PML(Q)でPPPを上回るから、PPPの勢力は第一政党から滑り落ちる)。 PPPの力は薄れ、ザルダリ家からの大統領はなくなりそう、ヤレヤレ…。

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

当地時間の1時からムシャラフ大統領による演説があるというので、例によって待ち構えていた。
1時数分前から大統領府へ向かう警察等の車輌が頻々と行き来し出し、予定より15分遅れで大統領の演説が始まった。最初の40分間は、いかに自分ムシャラフパキスタンのために誠心誠意つくしたか、数々の業績を延々と述べ、45分目からは大統領を引きずり落とそうとした勢力に僅か声を荒げて批判、最後は淡々と辞意を述べた。 
8年10ヶ月前、クーデターで政権を握った後のムシャラフは幾つもの国難に立ち向かい、剣の刃を渡るような決断をして来た。ムシャラフなしでは乗り切れなかった国難もある。大統領に就任当初のムシャラフは確かに優秀だったと思う。独裁的な行動が特に目立ち国民離れが進んだのは、この2年だったろう。

2時40分、大統領を乗せたらしいヘリコプターがオバハンの頭上を飛んで行った。一つの時代が終ったようだ。