NHKスペシャル「混迷のパキスタン」

柳が薄緑色の芽をつけた枝を地面に向かって垂らし、3日前には金平糖くらいだった新芽が、いきなり紅葉のような葉を広げ燃え立つようだ。街路ではレンギョウの花、きんぽうげの花も盛り。想っていたように今年は春ナシで、陽射し気温はシッカリ初夏で汗ばむ。
総選挙もあって、この1ヶ月間は外へも出ず家に篭もって黙々と挿し木に励んでいた。お陰で500本くらい(色々な樹)の挿し木が出来たか。3年前にアフガンから運んで来たイチジクの木、つい3週間ばかり前に挿したばかりなのに、もう小さな緑色の芽がつき始め幸せな気分でいる。
しかし挿し木に励めたのは逃避の一形態だった。黙々鬱々の原因は日本へ行きたくないことだったが、ようやく「行かねばならない」と諦めもついた。

で、快晴の下、気分転換を兼ね久々に野外バザールへ出かけて来た。
昨日はイスラマバードに近接しているラワルピンディの街で、軍の車列を狙った自爆テロ8人死亡。また2年半前の大地震で被災地になったマンセラでは、支援活動を続けるNGO事務所が武装勢力によって襲撃され、死亡者数人も。首都近郊で2日続けての自爆テロもないだろう… 総選挙も済んで想っていたより街も落ち着いている…と、オバハン自身に都合の良い勝手な状況判断だ。

自宅に近々のラール・マスジッド横の野外バザールは閉鎖されたまま、何時開設されるのかも判らない。建設を入札で請け負った業者はラール・マスジッドの事件で、それまでに建設した施設が銃撃によって破壊され大損害。政府からは何の保証も無く、工事の継続は難しいと聞く。
郊外に新しく今週から開設になった広大な野外大バザールでは、まだテナントが半分にも満たない入り。しかし石畳が敷かれ雨が降ってもぬかるむこともなく、どこもかしこも新品でピカピカ。要所要所にはジュースを飲んだり、休憩の出来る小奇麗なポイントもあって、なかなか感じも良い。ただしアクセスが悪くて車がなければ行けないという点では、郊外に出来た大型ショッピングモールみたいなものか?


昨晩、滅多に見ないTV NHKスペシャルの「混迷 パキスタン~崩れたアメリカのシナリオ。アメリカが“テロとの戦い”の最前線と位置づけてきた国家が今、大きく揺らいでいる。急激に情勢が不安定になったパキスタンだが、その根をたどると30年間に及ぶアメリカの対パキスタン政策に行き着く。現在の混乱は、その“失策”が一気に吹き出した形だ」 ウンヌン…を見て…

アメリカの内政干渉によって、パキスタンが「混迷」に至った部分は確かにあるが、番組自体の荒っぽい構成と、現地状況の把握も含め、決め付けの取材にはまったく驚いた… 
オバハン自身だけではなく、パキスタンを良く知る者の多くは同じ思いを持ったようだ… 27日に再放送があるというから、見てない人は参考までに見れば良いが…チト、酷い。パキスタンのことを知らない人は大いに誤解すると思う。どこが?と聞かれれば、それが何ヶ所もあっていちいち説明の上、書ききれない…