ブット死亡の真相は

車のサンルーフで頭を打っての事故死か? 狙撃によるのか? 自爆によるものかと世間は姦しい。しかし、ブットが死亡した事実は今となっては現実だ。政府はブットの死亡の瞬間を自分の目で確かめろ!とばかりTVで「その瞬間」を何度か放映している… でも、目を凝らし息を詰めて何度見つめても、チィッとも判らん。判るのはカラシニコフではなく大型のピストルだというくらいか? 
病院のベッドで負傷者が「カラシニコフでの発砲だった」というのは、混乱の中で自動小銃を持った警護の者が発砲した? あるいは持っていたのを勘違いしたのかも。

28夜TVで流された、ブットが生前CNN(BBC)の記者に渡していたという手紙、ムシャラフへの激しい批判が書かれてあったという。遺言の方は、その内容が息子によって本日夕方5時(日本時間の夜9時過ぎ)に読み上げられる。
夫ではなく息子が読み上げるのには、ブット家を継ぐものとして世間へのお披露目を兼ねているということだろう。息子は父親側のザルダリ家を名乗らないのか?
アメリカのケネディ家、インドのガンジー家と同じく、ブットの家もこれまでにブット自身、父親、兄弟2人が暗殺あるいは凶弾に倒れている。それを父親より背が高くはなったとはいえ、まだ16、7歳の年若い息子に政党の今後を(暫定党首を選ぶにしても)託すというのか… 確かにそうでもしなければ、最大野党のPPPは確実に分裂してしまうが…

昨日、パキスタンの選管は、総選挙延期の是非を言い出した。
一昨日、予定通りに選挙をすることを望むと言っていたライス国務長官。翌日には「民主化のプロセス進展こそ大切。当初の総選挙日程にはこだわらない」との姿勢を示唆したというから、パキスタンの選管もアメリカ様のお許しを得て、延期の方向へ向けて動き出したようだ。アメリカ様の、「関係政党などが(選挙期日で)別の結論を出すというのなら、われわれは静観する」というコメント。見方を変えるならば、今までは内政干渉をしてた、静観していなかったということだ。

パキスタン全土で吹き荒れた暴動。昨日はやや治まったらしいが、遺言の内容次第では再び荒れる可能性もある… ブット死亡の翌日に銀行は200店舗以上、2000万Rs(4000万円)ものお金が燃やされたという。パキスタン製耐火金庫などは用をなさなかったらしい… この分では貸し金庫も安全とは言えないな。