ベナジル・ブットの自伝

今年は犠牲祭の休日に建国の父ジンナーの生誕日が続き、7日間もの大型連休となった。お客はいないし、従業員の大半も田舎の実家へ帰ってしまったので、何時にない静かな家中で飽きもせず延々と本読みにふけっている。幸せの極致…

で、3日前からは17年前に読売新聞社から出版されたベナジル・ブットの自伝(民主化への挑戦)を読んでいる。17年も前に出版された本にもかかわらず、今のパキスタン情勢を理解するにも参考となり、かつパキスタン建国からの歴史の一面を見直す意味でも面白い。
パキスタンの軍部は建国以来、変わっていないのだと再認識したし、軍部を自分の手に握らない限り、このパキスタンという国を掌握できないという現実も理解した…… 

アメリカのご都合主義による内政干渉、過去における戒厳令下における国内の様子など、大きく見るとパキスタンを取り巻く事情は、建国以来さほど変わっていないのでは?と思ったり。
さらには、なぜ汚職にまみれながらもブット元首相の率いるPPPが国民の支持を受けるのか等などを、この本は示唆してくれ興味は尽きない。もっとも、ブット元首相の主観によって書かれている本なので、そのへんは読む方が色々と割り引いたり、考えなくてはならないが。
ただ、訳者が10人余りもいて項目ごとの訳に上手い下手があり、その上、当地を知らない人の訳は矢張り読み難い。

ブットの自伝を読んだから、次はムシャラフの自伝も読まなくっちゃ。でないとバランスを欠くものな…