師走

50日ぶりの雨に恵まれカラカラに乾いていた空気が湿り、肺に染み入るようで心地よい。朝方は吐く息も白く、イスラマバードでも白菜や大根が美味しい季節となった。もっとも、日中は23~4℃もあり、本格的な寒さには遠いが、吐く息の白さに冬がやって来たのを実感する。

日本は諸物価値上がりというが、それは当地も同じで、12月1日からガソリン代などの燃料が一気に14%(平均)も値上がった。生活諸物価が日本の20分の1でありながら、ガソリン代は日本並み。
ガソリン代など燃料が値上がりすれば当然、諸物価にも大きく響く。過日は野菜が安くなったと喜んでいたが、近々、主食の小麦粉や砂糖にも30%からの関税がかかるというではないの… 政府は庶民に何を食べろというのか?

それぞれが生きるための工夫で、何が何でも収入を得たいと諸料金を値上げしている無秩序な状態、それが今のパキスタンとも言える。こんなことでは観光客も登山客も減り、海外からの投資も減り、ますます自分の首を絞めるだけなのに。

政府はアメリカに押し付けられた「テロとの戦い」に振り回され、庶民の生活を守るというコンセプトがないようだ。うなぎ上りの諸物価、治安の悪化、個人で対応できることではない。
安全な地域で暮らすのなら家賃は目を剥くほど高い、 ガードマンを置き(雇用の創出ではあるが)隣近所とキチンと付き合い…。しかし、個人で自衛できることには限りがある… 自給自足は今や贅沢の極致とさえ言い換えられる。