ブット元首相の銀行口座凍結が解除

BBCムシャラフの単独インタヴューに成功、昨夜はそれが放映されるというので、気にしてTVにかじりついたパキスタン人も多かったのではなかったろうか?

6日の大統領選挙結果を当面、発表しないように最高裁が命じたり、選挙としては実に変則的ではあるものの、おおむねムシャラフは大統領の地位を守ったと考え安心したのか、顔がふっくら優しくなっていた。
そして一言、一言、慎重に言葉を選びながら、無駄なことは一切しゃべるまいとしている姿には、先月までの強権を振りかざした悪独裁者というイメージが払拭されたかに見えた・・・

5日、ムシャラフ大統領は汚職罪などに問われていたブット元首相に恩赦を与える国民和解令(1988年から99年までの間、汚職などの罪に問われた元首相を含む公職者全員に恩赦を与える等)に署名した。が、パキスタン最高裁はブット元首相らに対する汚職罪での起訴を取り下げる「国民和解令」について、その法的是非を審理することを12日に決めている。

しかし、ムシャラフの言い分によると、シャリフ元首相には確かに汚職など等があって、自分自身が罪を追求した。しかし、ブット元首相に対する訴追はシャリフ元首相が起こしたもので、ブットとシャリフは互いにあること、ないこと、なすり合った面がある。
ブットに関して言えば自分自身(ムシャラフ)が汚職などを確認していないし、その裁判は12年たった今も審理を継続、未だに結果が出ていない。この先、何時になったら審理が終わるのかも判らないから(涙をのんで…と言ったかどうかはわからないが)、ここはパキスタンの政局安定のために、ムシャラフ現大統領、ブット元首相、陸軍参謀長官の3人でトロイカ体制を取って国のために頑張りたいというような話に思えた。

で、ブット元首相初め、PPP(パキスタン人民党)の有力幹部に対して出されていたスイスやイギリスなどの銀行口座凍結が解除されたと聞くから、ブット元首相の帰国を前にPPPの支持者は盛り上がり、中にはブット元首相の出迎えのために、カラチまで飛行機をチャーターという声もあるようだ。

もっとも、最高裁ムシャラフ大統領に厳しい判断を下す可能性は、まだ残っているが、それは国民の目を欺くための出来レースだと言い切る人もいる。