戦争の追体験

十何日ぶりかで快晴の空だ、長雨の後なので空気が澄んでいる。マルガラの丘陵が近くに迫って見え、緑の濃淡も瑞々しい。久々に心地よい風に吹かれ、コーヒーを味わい、平和の有難味をシミジミ感じながらの一時を過ごした。一昨日から気温が下がったお陰で読書にも集中できる。    
10年以上もの前から8月の敗戦記念日が近くなると「戦争モノ」に関する本を手にし、平和の有難味・戦争反対をさらに確固たるものとするべく? 読書を通じて「追体験」をするのだが、今夏は暑くて暑くて本を手に出来ない辛さだった。    
たくさんある戦争モノの本、たくさんの方々が戦争に関する本を出版されている。オバハンが好きな本としては、浅田次郎の「終わらざる夏」は3度読んだ。重くて辛くて追体験をするには厳しい本で、何度でも読みたい本ではないと思わせる。本自体は素晴らしくともオバハンには辛い。「日輪の遺産」も重い。作者の戦争への姿勢、反対が反映されている。 松岡圭祐の「8月15日に吹く風」は数度読み、緊張感を持って読み進むのだが、本の結末が比較的明るくて救われる思いがするのと、雄大な海域を舞台にしているスケールの大きさに魅かれて、今後も何度でも読みたいと思う本だ。百田尚樹の「永遠のゼロ」は、戦争を全く知らない若い世代向きかも・・と思ったりする。オバハン自身は百田尚樹が好きではないが。

ともあれ日本人の中から戦争体験者がどんどん減って行く、辛くて重い体験を継承して行く人が減って行くのは良いことではないような気がする。日本の政治家たちも戦争を知らない人ばかりになり、経済優先の施策にしか目が行かない・・と、一時期話題になっていた記憶がある。今でこそ戦争反対を言うは易い、だが本を通じてでも良い、追体験までしようとする人がどのくらいいるのかしらン。