鬼ババァ 山姥

わざわざ電気を付けて、鏡の前で自分の顔を見ることはない。顔を洗った後は濡れた手で髪の毛を撫でつけるだけだし、湿度が10数%しかない乾季には杏のオイルを塗るくらいだ。超面倒くさがりで、化粧というものも結婚式の時にしただけで、いつもスッピンだ。パキスタンの暑さと乾燥で、見なくてもシミとシワが凄いのは知っている。有難いことに白内障で自分の顔が良く見えなかったことも今までは幸いしていた。
だが、きょうの昼間、息子の部屋でお手洗いを借りた。2階で日当たりの良い時間帯、鏡で自分の顔がハッキリ見えて驚愕した!なんと、なんと!物語に出て来る鬼ババァ、山姥ではないか!おまけに亡くなった養母にもそっくり! 血のつながりがまったくないのに、似ていること似ていること! 
で、じっくり考えたのは、手入れのなされていない年寄りの顔と言うのは、シワシワ、目元がたるみ、ざんばら髪になると誰でもが似たような顔になるということか。   
気分が悪くなった。寝る。