鬱陶しいね…

9月に入っても、まだモンスーン(雨季)が上がらない。
例年なら1ヶ月ばかりのモンスーンが、今年は早や3ヶ月に近い。おかげで貴重な水を庭に撒かなくてもいいので芝生や樹木は青々、清々としている。しかし高温に加えて日本の梅雨並みに連日の雨、通気の悪い場所は黴だらけ。まったく、こんなことはオバハンのパキスタン在住30年で初めてだわ…


過日、高村防衛大臣がテロ対策特別措置法の延長問題について「続けられるなら、どんなことでもやる覚悟だ」と述べているのを読みながら、今からでもアメリカの尻押をして「国連決議の要請もしかねないな…と、危惧してしまった。
しかし、テロ対策特別措置法の延長とは、どんなことをしてでも「せねばならない」問題なのかねぇ……

昨5日は、アメリカ(下院)での本会議で、イラクアフガニスタンにおける米軍の「テロとの戦い」に対する日本の支援やアジア・太平洋地域安定のための貢献を評価し、日本に謝意を表明する決議を全会一致で採択しただと。外交とは、かくも厚顔でないと出来ないものなのか… 
アメリカは、つい1ヵ月半ばかり前に、同盟国日本に対して足をすくうような決議(従軍慰安婦問題での対日謝罪要求)をして「鞭」をくれたかと思ったら、一転、今度は飴かい。
日本政府は「飴」なんぞで喜ぶなと言いたいヨ、まったく。

中東専門家やイスラーム政治史専門家など、日本でも多くのイスラーム専門家がアメリカのイラクやアフガンに対する政策を「間違いだ」と指摘している。
専門家で「アメリカのイスラーム政策、戦略(テロ撲滅の政策)を「成功だった! さらに推進するべし」として賛成している人をオバハンは知らない。

イラクアメリカが言い募ったような大量破壊兵器があったか? 
さらには、アメリカが言ったようなサダムフセイン元大統領とアルカイダの関係はどうだ? 今をもっても、関係は発見されていない。
また、アメリカの言う「諸悪の根源」、フセイン元大統領を処刑したら、イラクには平安が戻り、民主主義が根付き、復興が着々と進み、市民が落ち着いて暮らせているのか?

どう贔屓目に見ても軍事による急進な改革は、イラクやアフガンの復興を妨げている面が大きいとしか見えない。半数近くの閣僚が辞任したままのイラクタリバーンによる反政府活動の増大。アメリカの言う民主主義が、今の中東には文化・伝統面でも根付き難いのが、アメリカにも理解が出来ていると思う。
にもかかわらず、テロ対策特別措置法を延長してアメリカへの支援姿勢を崩さない、アメリカという泥舟に乗り続ける日本政府がオバハンには理解できない。

日本政府は、テロ対策特別措置法案を通した頃の、自衛隊の海外派兵当初の理由を思い出すがいい。
当初と今では、状況が大きく異なっている筈だ。
それでもなおイラクから自衛隊を撤収することもなく、また給油補給はアフガンのテロ撲滅のためにと言いながら、今では全補給の80%ものオイルを日本国民には黙って、イラク戦争のために支給し続けようとしている。
日本は産油国ではない、オイルは国民の血税によってまかなわれている。
我々の血税を、不毛な「テロ掃討」のためという、予備戦争で使っていい筈はない。

晴れ間の見えない、鬱陶しい「テロ対策特別措置法案」の延長、絶対反対!