有難迷惑なアメリカ

何日ぶりで快晴になったのか? 連日の雨で樹木からは埃が洗い落とされ、ピッカリ青空が眩しい。
山での負傷者は、事故の翌日ヘリで緊急に下山させたものの、カラコルムの登山基地スカルドゥからは荒天のためにお天気待ちのイライラする日が続いた・・・ 一昨年の大地震で地盤が緩んでいるせいもあり、カラコルム・ハイウエーは何ヶ所もが崩壊。身動き出来ずにいるのは辛い。
しかし、こういう年は何時も以上に要注意だ・・・


米国家情報長官が、国際テロ組織のオサマ・ビン・ラディーンが「パキスタンの部族地域で生きていると信じている」と述べたことについて、一昨日の23日パキスタン政府は「無責任な作り話で受け入れ難い」との声明を出し抗議した。当然だと思う。
そうなのよねぇ~~ オサマ・ビン・ラディーンがパキスタンの部族地域に潜伏していると言い募るのなら、パキスタンと情報を共有すべきだと思うワ。

ブッシュは、「パキスタン全土からイスラーム原理主義過激派の排除を目指す、ムシャラフ大統領を全面的に支持する」と表明している。
まったく、ムシャラフ大統領(パキスタン政府)を持ち上げたり、掃討の努力をしていないと「脅迫」したり、勝手なものだ・・・
むしろ、ブッシュがムシャラフ大統領の行為(アフガニスターンとの国境沿いでのタリバーン掃討や、ラール・マスジッド突入など)を、「人道にもとる」などと非難した方が、パキスタン国民はまとまり、こぞってムシャラフ大統領擁護派にまわったかもしれないのに。
ブッシュの支持なんぞは、実に有難迷惑の何ものでもない。ブッシュの一言、一言に多数のパキスタン国民が反米感情を募らせる。それが解らないのかな・・・
この上、米軍が「部族地域でテロリストの掃討」という大儀名分で乗り込んでくれば、ますますイスラム原理主義者を刺激する。さらには一般国民までが、反政府に回る。すでに多くの国民が反政府感情を持ちつつあるが・・・


アフガンで拉致された韓国人たちはに食料、医薬品が欠乏との報道。
韓国人や我々日本人の「お口に合うもの」がアフガンには少ない。
一般庶民アフガン人たちの食事はナーン(薄焼きパン)と緑茶だけ。昼もそれに近い。まれには夕食に野菜の煮込みが付くこともある。しかし、それもないことが多い。しかし拉致をしたタリバーンたちは、彼らにとっては可能な限りの食事を出していることと思う・・・。本来的なアフガン人、タリバーンとはそうした人たちだから・・・ 
しかし、そうしたアフガン人の食生活を、慣れない外国人が強いられれば病気にもなろう。でも・・・病気になったり、弱ったり、年老いていれば拉致から「釈放」される可能性が高くなる。
人質交換などの交渉では、元気な者は釈放の対象になり難いから、不幸にして拉致された時には、この兼ね合いを考えながら気力を蓄え、かつ外見的には弱っていなければならない・・・
臆病者のオバハンは、万が一、自分の身に起こった時はと、常にこれらを念頭に置いている・・・

韓国人たちが拉致された因は、アメリカのアフガン空爆であり、アフガン全土にいる多国籍軍NATO)の存在であり、テロ撲滅に名を借りたアメリカの覇権主義への抵抗だろう。
韓国人たちはアメリカの犠牲者といえるし、我々日本人の身にも(アフガンへは行かなくとも)同じことが起こりうる可能性はある。