混沌

ラール・マスジッドでの篭城が終わり、オットリ刀で「その後を書こうか?」とでもいうのか、やって来た報道陣も何社かある。事件の中盤にはニューデリーから飛んで来た毎日新聞シンガポールから来た朝日新聞があって頑張ったとは思うが、当地の新聞に載っていることしか書いていないから、ニューデリーからの発信とさほど変わりはないといえるかも。
その毎日新聞では、「軍との銃撃戦のさなかに死亡した、指導者ガージ師には死亡の直前に男児が誕生していた」と報道されている。女子神学校の校長だったといわれている妻と娘はガージ師死亡後、軍に保護されたというから、出産した妻は何番目の妻なのか?
このあたりの報道は曖昧というか、錯綜しているというか現地新聞でも混乱しているようだ。

先般、軍のヘリコプターがガージ師の遺体を地元へ運んだ時には、軍のヘリポートにたくさんの女性(姉妹たちが)遺体出迎えのために群れていた。中にはカメラに向かって笑顔でピースサインをしている女性たちが何人もあって、ガージ師の家族全員が原理主義者ではなく、そのアンバランスさには驚いたものだ…
アンバランスといえば、ガージ師の兄アジーズ師は投降呼びかけの2日目だったか3日目の夜、「ブルカを被り、女性たちに混ざって逃げようとした」と報道されている。ブルカなどをを被っていても投光機の下、足元を見れば直ちに判明する…。 政府と密約が出来ていた、やらせだと当地で大勢の声が挙がったのは、さほど間違っていないと思う。
何よりも、拘束後、ブルカを着せられたままTVに出演、ニヤニヤ笑いでインタビューに答えていた違和感は忘れられない。そこには逮捕された無念さも、女装姿で捕まったという「恥」もなく、政府のお膳立てに乗ってやったという余裕が見られた。

様々な報道の中で何が真実で、何が故意に流された情報かはますます見え難くなっているが、反政府活動が盛り上がるのだけは避けられそうにない様相だ・・・