なぜ初等教育を終えられないのか(NWAニュースから)

パキスタンは元宗主国イギリスの学制を布いていますから、毎年進級試験があります。進級試験で落ちこぼれるのは小学校3、4年生の算数で躓くから…と思い込み、この数年は村々での算数教室に力を入れて来ました。
しかし2014年の調査では、初等教育で落ちこぼれる主因が算数だけではないことが分りました。

子供たちが初等教育の5年間を無事に修了できない原因の一つに、教科書代は無料になったものの、夏冬の制服や靴、カバン、文具類には少なからずの現金が必要なことがあります。現金収入のない田舎、子たくさんが普通の家庭では子供の制服、靴、カバン・文具代一式は給料の半月分近くにもあたり、学校へやることには、「現金が要ること」が障害になっています。

替えの制服を用意できる家庭は僅少です。
特に田舎の女生徒たちは、初潮が来れば学校へ通わなくなります。学校や家庭で女性の身体の仕組みや、衛生的な処置を教えられることはありません。汚した場合の着替えの制服がないという理由もあります。生理期間中を部屋に篭って成長して行く女生徒のために、今年からは手作り布ナプキンなどを、村々で展開している縫製教室では積極的に指導して行く予定です。

昨日、1ヶ月間におよんだ断食月が明けました。
センターも22日までお休みです。