日本にいる友人たちに、「月末の日本行き、もしかしたらパキスタンから出国が出来ないかもしれない。出国できても日本へ入国が出来ない」とメールをしたら、今どきの日本、ポリオなるものを知っている人がいなくて驚いた。
ポリオ(小児麻痺)はポリオのウイルスにより中枢神経細胞が破壊され、主に四肢に麻痺を起こす感染症だ。日本では50年前までは普通に流行が見られたもので、1961年から日本でも予防接種が実施され、1980年には日本ではポリオ感染が根絶されたとなっている。 オバハンたちの若い頃はポリオ(小児麻痺)だけではなく、マラリヤや結核の発症も多かった。思い返せば日本も「発展途上国」だったのだ。
3年前、日本はパキスタンに対してポリオ撲滅の取り組みにと約50億円の借款に調印した(ただし、この約50億円は、パキスタン政府によってポリオ根絶事業が一定の成果を出すことができれば、ビル・ゲイツ財団がパキスタン政府に代わって日本政府に債務を返済するという取り決めだ)
今年に入ってからも日本はさらに約4億円の支援追加を決め、これで1300万人分のワクチンや、保管のための設備が提供されるという。
世界で残されたポリオ常在国は、パキスタンと隣国アフガニスタン、アフリカのナイジェリアの3カ国だけだと昨年まで言っていた。しかし先日のWHOによる通達で見れば、ポリオを輸出するリスクのある国は10か国に増えていると。
地球上からのポリオ・ウイルス根絶へは奮闘が続くが、アフガニスタン国境沿いなどでは武装勢力の妨害も障害になっている。一昨夏から何度か報道されたが、ポリオ患者の発生が最も深刻なパキスタン(旧)北西辺境州やカラチなどでは、予防接種作業員へのテロ行為が続いている。(パキスタンでは、2011年5月にオサマ・ビン・ラーディンが予防接種運動で得られた情報がきっかけで殺害されたといわれ、イスラム武装勢力が各地でポリオ予防接種スタッフをスパイとみなし、テロ攻撃を行って来ており、テロの犠牲になった予防接種作業員の数は30人以上になっている)
一昨日から小雨模様、5月の半ばとは思えない涼しさだ。ただただ有り難い。昨日は暑くない中で最高のストライキ日和となった。政府に抗議をするために集まる人たち、大統領官邸前広場からマイクに乗って聞こえて来る演説、音楽、ざわめき、ちょっとした娯楽のようだったな。