内政干渉をしないという「説明文書」

何処に居ても家(事務所)に引き篭もっている限り、安全はある程度、確保されているものと考え、ギルギットの母子センターに来ている。ここでも宗教抗争で銃撃戦は絶え間ないし、初の国政選挙が近いこともあって油断は出来ない。細心の注意はするが「悩んでもしょうがない」という状況になった。

昨朝、プロペラ機の中で渡された新聞によれば、「15日、イスラマバード市内F11/2地区に所在する検問所において、過激派武装集団のテロ要員2名が逮捕された。その際、自爆ジャケット、手榴弾等が押収された。また残る1人が自爆ジャケットを纏ったまま、その場から逃走」と。 この検問所、今月5日にはなかったから急遽、新設されたのだろう。15日に通った時は車の大渋滞になっていて、「こりゃぁ買い物のルートを変更せねば…」と考えた個所だ。

パキスタン軍は(アメリカ様に尻を蹴られ)13日以降、武装勢力が潜んでいるというワジリスタンに空爆を続け、本格的な地上作戦の準備とか。ならば武装勢力側の反撃も加速するだろう。尻を蹴られているだけでも腹が立つというのに、この上、武装勢力掃討の共同作戦などとの支援条件が付けば、アメリカは何を言い出すことか! 文字通りの「主権侵害」になるのは確実だ。

オバマ大統領は15日、「米議会が先月可決したパキスタンへの非軍事支援法案に署名した」と、これまた昨朝、機内で目を通した。「年間15億ドル(約1360億円)、今後5年間で計75億ドル(約6800億円)を支援し、パキスタン文民政権の安定化を後押しし、同国内の過激派やテロ対策を強化するのが狙いだ」と。
しかしながら、この法はパキスタン側に核開発関連情報の開示、政治への軍部不介入などを求めていたから、その内容をめぐりパキスタン議会(国内)からも「内政干渉」などと反発する声が大きく上がっていた。

結果、文民いずれの分野にも介入する意図はないとの「説明文書」がアメリカから添付されたというが、はてさて??? アメリカ様の文民支援開始で、いよいよ日本政府も「支援」に本腰を入れるのだろうか? 岡田外相はパキスタンの何を見て帰ったものか?