国際支援

ミャンマーのサイクロン被害といい、四川の大地震といい時間と共に被害の様相がわかり、その大きさが明るみに出てきた。どちらも自然災害で、防ぎようがなかった面が多々あるにしても、その後の救援姿勢、支援体制で被災者たちの生死状況は大きく変わる。

ミヤンマーは支援物資と支援金だけを送れと要請。中国も(たぶん)気持ち的にはミヤンマーと同じであろう…。国際支援団体が現地へ出向いたからといって、おいそれと簡単に現地支援が出来るものではない。
軍政を外部に見られたくないという政府側の思惑は当然あるだろう。だが、支援の実態を知っている(年中どこかからの支援を受けているような)途上国側からの思いとしては、国際支援団体(のスタッフたち)そのものが食いつぶす「支援金」内に含まれる高額な人件費や、現地に見合わない高額な経費もろもろを考えるなら、「物資と金だけを送れ!」と願う、政府の気持ちが分からないでもない。

2年半前のパキスタン地震(M7,6)は、四川大地震(M7,9)より小さかった。しかし震源地が山の中であり、多くの家が山の急斜面にあったことから犠牲者7万数千人、被災者400万人と被害規模は大きかった。
支援物資は寸断された道路に阻まれ、届かなかった。医療行為も受けられない人が多かった。中には壊れた家の下敷きになり、両足(大腿部)骨折の息子の苦しむさまを見ていられないと、その頭を石で殴り殺した父親もあった。オバハンが被災地へ入った3日目には、まだ家の下敷きになった人たち何人もが足裏を見せたまま埋まっていた。あと2秒あれば外へ逃げれたろうにと、心が痛んだ。

被災現場では約半年間、無償のボランティアをし、日本政府の支援も見た。国際支援団体の活動も見た。だからミヤンマー政府の言う「金と物資だけを送れ」という気持ちが、一面、分からなくもない。日本政府、国際支援団体の言う「支援金」の20数%しかが現地へ落ちない現実なら、支援団体が現地へ行かない方が、トータルとしては現地に支援金が落ちるかも。
パキスタン地震では、政府は緊急支援のみ受け入れた。支援団体の活動への不満、住民の寄りかかり姿勢などモロモロを鑑みて、半年後からパ政府はNGOの活動を認めず、ビザも出さない峻烈な姿勢で臨んだ…。支援の停止に多くの被災者は難儀をしたと思う。
世界で起こる災害や紛争に付け入ることのない支援活動(団体のあり方、やり方)を、各国政府、国際支援団体は一度、根本的に再考すべきだろう。そうすれば、受け入れ側の思考(不信)も少しは緩和されると思うものだが。

四川大地震の破壊力は、阪神大震災の30倍にもなるという。これからの1週間で被害規模がさらに明確になるだろう…。 地震から72時間が生死の分かれ目になるという。被災現場で降る雨をTVで見てはオバハンなりに心を痛めている。
パキスタン地震でも、秋の乾季にもかかわらず雨が続いた…。それが被災者をどれだけ痛めつけるものか…。いま、被災地では生き延びるための熾烈な戦いが、被災者同士でも起こっていることであろう…。1分でも速く救援が届くようにとしか祈れない自分が歯がゆいが…