自衛隊による給油の前に、アフガンの現状を考えよう…

7ヶ月ぶりに被いを外した天窓から揺れる樹が見える、風が出て50日ぶりのポツポツ雨。遠雷も聞こえて来たから、これで季節が冬に変わるのかもしれない…

アメリカがアルカイダタリバーンの勢力の増大に対抗するとして、パキスタンの部族地域で、北西辺境州兵や治安部隊の訓練計画をしていると、昨日ブログに書いた。
英国やアフガニスタンに拠点を置く民間の国際シンクタンクの調査では、「タリバーンの恒常的な支配地域は、先月の調査時点で全土の54%に及び、地方における複数の中核都市や国境地帯、幹線道路はタリバン支配下にあり、市民にもタリバーンに政治的合法性があるとの感情が増している」という。

このシンクタンクの真の意図は分からない。
テロ掃討にさらなる無駄金を投入するための言い訳、あるいは伏線かもしれないし、単に欧米を初めとする先進諸国にテロの恐怖を煽るつもりなのかもしれない。
しかし、そのシンクタンクが言うには… 「アフガンの現状が示唆しているのは、タリバーンが首都カブールに戻ってくるかどうかという問題ではなく、いつカブールに戻ってくるかという問題で、2008年にも起こる可能性がこれまで以上に高まっていると警告。時間切れになる前に、国際社会は戦略を劇的に変換させる義務があると指摘」しているという。

日本では自衛隊によるインド洋(アラビア海)での給油活動再開をめぐって、国会でも紛糾??しているが、アフガニスタンにおけるアメリカを筆頭とする多国籍軍の作戦が、膨大な軍事費用を使いながら、また膨大な支援金を投入しながら「失敗している事実」が何故、キチンと日本では報道されないのか?

自衛隊による給油がどう使われているかも知らず、日本政府はアフガンで血税の垂れ流しを続けようとしていることを、真摯に考え直すべきではないのか? もっと声を大にして国会へ届けるべきではないのか?
また、そのシンクタンクの言う「市民にもタリバーンに政治的合法性があるとの感情が増している」という部分は、我々も大切に考えるべきではないのか? 多国籍軍による統治が間違っているという事実ではないのか?

911同時多発テロで、容疑者オサマ・ビン・ラディンを匿っているというだけの理由で、アフガンへの空爆に踏み切り、あれから丸6年。アメリカによって崩壊させられたタリバーン政権が徐々に盛り返し、国民の支持も受け初めているとはどういうことなのか? 
多国籍軍タリバーンに勝利するためには… アフガンの国民の半数(アフガンにおけるパシュトーン人の人口比率は50%以上)を殺戮しなければ勝てないのではないのか…

日本政府は、単に給油継続の可否で大騒ぎをしているが、アフガンの現状を見直し、アメリカの言いなりになって給油再開をする方がアフガンのために良いのか、どうかと考える方が良くはないのか?