パキスタン非常事態宣言②

しかし… 土曜日の夕方5時半(日本時間の夜9時半)、凄い時間帯を狙って非常事態宣言を出したものだ。
金持ち、反政府活動家たち、国外へ逃げるにしても、銀行へ行って預金を下ろすことも出来ないものな… オバハンにとっては、在パ30数年で3度目の非常事態宣言を体験。外貨口座が凍結になるのか?と気になるところ。

国営TVで、ムシャラフ大統領が非常事態宣言の理由を説明するというので、普段は早寝なのに深夜まで待っていた… 宣言文は、昔ながらの古いタイプライターで打たれており、字がかすれて所々読めない。このコンピューター時代に、なんとまぁ…と、思わず感動したね。
で、ムシャラフの演説だが…緊張のせいか、原稿をめくる手が震えていた…。やましさでもあるのか?と思ってみたが。硬軟、筋金入りのムシャラフにそんなこともあるまいと、強いて思い直した。

宣言文ではテロリストによる攻撃が激化、一部の司法関係者が政府に介入し過ぎて、国家としてテロとの戦いの決意を弱めさせていると。だから、憲法にのっとり国家を運営することができなくなったと説明しているらしいが、ムシャラフ大統領の言っていることがオバハンにはチィットも解らん。
早い話が、最高裁が自分の思うようにならんということだけではないか…  

それを、軍の力をバックに最高裁の建物、テレビ局に展開。最高裁長官を解任、新長官の任命。大統領府などへ通じる幹線道路が封鎖。民間テレビ局の放送が停止。宣言の発令直後30分くらいで電話がつながらない等。あんまりだ…

憲法の停止は一切の人権保障の停止であり、民主化プロセスの停滞は必至となった。もっとも、パキスタンに真の民主主義が訪れたことは今までにもなかったから、驚くにはあたらないが。
ドバイへ逃げたブットも、ムシャラフが大統領である限り、「国民和解協定」が継続されるとみなしてか、パキスタンへ戻って来た。